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《森の植物の歳時記》 [212]【センニンソウ(仙人草)】別名 ウマクワズ(馬食わず)

夏の終わりころ、林縁や道端のフェンスなどに絡んで白い花を咲かせます。どことなく儚げなのに、存在感があり、人気を集めているようです。
花が終わると、雌しべの花柱(先端に当たる部分)に見られる銀白色の長い毛を仙人の髭に見立てた名前という説があります。この長毛で種子は風に乗って飛散します。
一般に1枚の葉は5枚の小葉で構成されますが、この葉の柄の部分が長く伸びながら回転して、周りの木や葉、フェンスなどに絡みつきながら伸びていきます。
扁桃腺炎や喘息の発作の際、センニンソウの葉を揉んで手首の内側に張り付けると発作が治まるという民間療法が知られていますが、センニンソウは有毒植物です。貼り付けた部分が水膨れになります。決してお勧めはできません。ご注意ください。
別名のウマクワズ(馬食わず)は、有毒植物であることから、馬や牛が絶対に口にしないことに由来します。
たまに葉の一部が黄色くなって膨れているのを見かけます。センニンソウさび病と言われる病気です。伝染しますので、できるだけ早く取り除きたいですね。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
センニンソウ









センニンソウ さび病