西スポさんは私と同じ福岡市生まれの地元なので、本当に小さい時から実家で読んでいました。まさか自分が(1990年に15歳で福岡国際女子を初優勝してから)記事になるなんてちょっと信じられなかった。選手と記者さんという立場で歩みを進めてきた思いもあり、ひと言ではなかなか表せません。
それまで見てきた柔道の記事といえば結果だけしか載っていないことが多くありました。私の場合は光栄にも中学3年生の時の優勝から記者会見をする機会が多く、発言することで目標が明確になり、見出しにもなりました。言葉を引き出してくれる記者さんたちとの出会いが大きかったと感じます。「こういうふうに書いていただいたんだ」と後で読むのも好きでした。
アトランタ五輪の決勝で敗れ、会見後の囲み取材で泣いた時のことはよく覚えています。西スポの記者さんに「胸張って帰ったら良かとよ」と言ってもらえて、ふっと力が抜けて安心したんですよね。今までの頑張りを、記者さんと選手という枠を超えて応援してくれていた。いろんな場面を見てきているからこそ私の心にすごく届きました。
大きい存在だからこそ、紙面がなくなるのは寂しい。でもウェブメディアに生まれ変わるのは新たなチャレンジでもあると思いますし、より多くの方たちが応援してくださると思う。私もその一人として期待するのは、ウェブだからこそできる、世界規模でリアルかつ瞬時に伝える点。これから新しいページの始まりですね。