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ファミコン版ドラクエⅢで新たに発見されたバグ。クリアまで最速23分

 1986年に『ドラゴンクエスト』(以下ドラクエ)が発売されてから今年で34年になります。2020年7月には派生作品の『ドラゴンクエストタクト』がスマホゲームとして配信がスタートし、10月にはドラクエの漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のアニメがリメイク放送開始されるなど、今でもファンから根強い人気を集めています。
ドラクエポータルサイト

ドラクエポータルサイト。ここから歴代のタイトルが確認できる

 さてそんなドラクエシリーズですが、ファミコン版ドラクエⅠ~Ⅱでは復活の呪文による進行度記録方式でした。これはファミコンがバッテリーバックアップを考慮していないプラットフォームだったことも関係しています。とは言えドラクエⅠでは最大20文字だった復活の呪文が、ドラクエⅡでは最大52文字となり写し間違えなども多。「ふっかつのじゅもんがちがいます」のトラウマを当時のプレイヤーに植え付けました。
復活の呪文

復活の呪文はドラクエⅪでも採用され話題となった

 このセーブ方式がドラクエⅢではバッテリーバックアップになり、冒険の書というセーブ機能になりましたが、これでセーブ問題がなくなったかと言うと、今度はバッテリー切れや接触不良等によりセーブデータが消え、「おきのどくですが ぼうけんのしょは きえてしまいました」の表示画面による新たなトラウマが発生したのでした。

発売から32年後に発見されたドラクエⅢのバグでいったい何ができる?

 このファミコンが考慮していないバッテリーバックアップシステムを使ったバグが、ファミコン版ドラクエⅢ発売から32年の時を経て新たに発見されたと言うから驚きです。 「RTA」と言われるリアルタイムアタックでこのバグを使うと、10月末時点でドラクエⅢRTAのエンディングまで最速23分。ちなみにバグなしの純粋なドラクエⅢRTAだとエンディングまで約3時間。なお、最初からステータスMAXや敵が出ないなどプレイヤーに有利なチートコードありなら、エンディングまで約15分となっています ※ドラクエⅢのRTAでは電源投入からエンディングまでとなっている。
ドラクエⅢ

表記等はバグっているが、プレイは通常進行するようだ

 RTAに非常に有利なこのバグの詳細は下記のとおりです。 1.王様の前でセーブをし、続けてプレイするかの問いに「いいえ」で答えます。 2.するとリセットボタンを押しながら電源を切ってくださいと表示されるのでこの画面で本体の電源を落とします。 3.数秒の後電源を入れ直し、リセットボタンを押すとなんとバグった状態でドラクエⅢが起動されバグ画面に突入。 4.この状態で城下町へ行きルイーダの酒場でセーブ機能を使い、再度リセットボタンを押す。 5.すると王様の前からスタートし、通常の会話ができる状態になっています。  ここで所持している呪文やアイテムによってさまざまなイベントをショートカットでき、クリアタイムを大幅に縮められると言うわけです。  具体的には、バラモス最短撃破は船を入手するためのアイテム「くろこしょう」、ラーミア復活のための「オーブ」各種。ゾーマ最短撃破には、ルーラに「リムルダール」、アイテムに「虹のしずく」、「アバカム」や「魔法の鍵」が必要です。
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