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マジパン・浅野杏奈、女優デビューに感無量「いろんな夢を開いてくれた」

●実力不足に打ちのめされた分、火が着いた!

英愛『メグ・ライオン』マジパン・浅野杏奈 ただ、ちょっとゆるめの河崎コメディーとはいえ、浅野にとって人生初の映画出演。緊張やプレッシャーはなかったのだろうか? 「正直、現場に入るまでは、緊張に気づいていなくて、『自分ならできる!』と強気でいたんですが、実際、カメラの前に立った瞬間、『あれ? 私ってこんなに緊張するタイプだったかな?』と思うくらいナーバスになっちゃって」と苦笑い。「普段、アイドルとして活動している時は、個人でも、グループでも、どちらかといえばカメラにアピールすることが大好きだったので、自分で自分に驚きましたね」と述懐する。  映画やドラマは、自身のアピールの場ではなく、監督の描きたいものを撮る、いわばコマの1つ。経験のない浅野にとっては勝手が違う現場だったのではないだろうか。 「撮影初日はびっくりするくらい声が出なくて、本当に自分が自分じゃない感覚。あとは、念願の映画にやっと出られるという思いが強すぎて、台本を読めば読むほど緊張が増していったところもあったかもしれませんね。カット割の撮影にも全く慣れていなくて…。出演できたことはすごく嬉しかったのですが、演者としては完全に打ちのめされて、頭の中はいつも反省会ばかりでした。逆にお尻に火を着けていただいた感じですね。」と胸の内を明かした。

●出資者兼主演の長谷さんの熱い思いに賛同

映画『メグ・ライオン』製作・主演を務めた長谷摩美さん(一番右)

映画『メグ・ライオン』の製作・主演を務めた長谷摩美さん(一番右) ©ロングキャニオン2020

映画『メグ・ライオン』場面カット (c)ロングキャニオン2020

映画『メグ・ライオン』場面カット (c)ロングキャニオン2020

 アイドル活動と女優活動の切り替えも「最初は難しかった」という浅野。それでも日を追うごとにそのリズムにも慣れ、河崎監督の顔を見ると自然にスイッチが入るようになったという。最終日には、演技をしながら役の気持ちに自然と入って、「初めてセリフと一緒に気持ちが動いた」と、女優としての手応えも。そして、そんな浅野の原動力となり、モチベーションを高めてくれたのが、本作の出資者であり主演も務める長谷さんの熱い思いだった。 「長谷さんが大好きだったアイドルグループ、バクステ外神田一丁目のあるメンバーさんが引退されて、その方に『1度でいいから映画に出て欲しい』という思いがあって、今回出資したそうなんです。  ところが、その方はもう就職されて出演できないということで、急遽、長谷さん自身が主演することになって。そのお話を聞いていたら、もう胸がいっぱいになってしまって、『これは絶対に最後までやり遂げなきゃ!』って思いましたね」。ちなみに、長谷さんが推していたメンバーと最も仲のよかった3人が本作に友情出演し、劇中、浅野とユニットを組んで歌とダンスを披露している。

●浅野杏奈の今、そしてこれから

終始笑顔で、インタビューに応えてくれた浅野杏奈

終始笑顔で、インタビューに応えてくれた浅野杏奈

 さすがに着ぐるみには入らなかったが、人生初のスタントアクションにも挑戦し、今、浅野が持っている全てを出し切って完成させた『メグ・ライオン』。映画はクスっと笑えてほっこり幸せになれるライトなコメディーだが、この作品の中には浅野の長年の思いがいっぱい詰まっている。 「撮影期間は短かったのですが、今回、いろんな経験をさせていただき、夢を開いていただいた感じがします。心の底でずっと『女優になりたい』という思いがあったので、本作でお尻に火が着き、もっと本気で頑張らなきゃって改めて思いましたね。『あんちゃんは喋りの仕事の方が向いている』ってよく言われるのですが、私はブレません(笑)! いつか本物の役者と呼ばれるように、これからもっともっと努力していきたい」と力を込める。  浅野杏奈の今を作ったのは、紛れもなくマジカル・パンチライン。女優を目指す上で、「アイドル活動は、私にとってすごく大切なこと」と浅野は目を輝かせる。「ある意味、アイドルってファンの皆さんの前に出て、試されるお仕事。自分が劣っていれば劣って見えるし、頑張っていたら頑張ったねと評価される。常に比べられながらステージに立っているので、知らない間にメンタルが鍛えられていたりするんです」と俯瞰する。 「ファンの皆さんに自分がどう観えているのか、あるいは、どう魅せればファンの皆さんに喜んでいただけるのか、アイドルって、そういうことを肌で実感できるお仕事なので、今後の私の人生に必ず生きてくるはず」。  アイドルへの思いを胸に、“女優”という夢に向かって第一歩を踏み出した浅野杏奈。その先にどんな世界が広がっていくのか。期待で胸が膨らむばかりだ。
映画『メグ・ライオン』場面カット (c)ロングキャニオン2020

映画『メグ・ライオン』場面カット (c)ロングキャニオン2020

 映画『メグ・ライオン』は、9月4日よりヒューマントラスト渋谷ほかで公開 取材・文:坂田正樹
広告制作会社、洋画ビデオ宣伝、CS放送広報誌の編集を経て、フリーライターに。国内外の映画、ドラマを中心に、インタビュー記事、コラム、レビューなどを各メディアに寄稿。2022年4月には、エンタメの「舞台裏」を学ぶライブラーニングサイト「バックヤード・コム」を立ち上げ、現在は編集長として、ライターとして、多忙な日々を送る。(Twitterアカウント::@Backyard_com)
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●タイトル:『メグ・ライオン』
●公開日:9月4日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ他にて全国ロードショー!

監督:河崎実
製作:主演:長谷摩美
出演:浅野杏奈(マジカル・パンチライン)/ジョナサン・シガー/渡辺裕太/岩井志麻子/真夏竜
   田中美和子/桜りん/shiffon/ネリ/桃山美緒/一宮すばる/小林さとし/日出郎

プロデューサー:河崎実 関谷和隆 佐熊慎一
脚本:小林弘利 河崎実
撮影:佐々木雅史 松尾誠
録音:塩田康一 相田義敦
ヘアメイク:田部井美穂
スタイリスト:チバヤスヒロ
特殊造形:梶康伸
キャラクターデザイン:加藤礼次朗
音楽:アサカコウギ
編集・SE:川﨑雄太
アクション監督:早瀬重希

<2020年/日本映画/カラー作品/52分>

企画協力:株式会社三越伊勢丹 松竹ブロードキャスティング株式会社
製作:リバートップ
配給:TOCANA
©ロングキャニオン2020

HP:https://tocana.jp/2020/06/post_158242_entry.html

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