究極の存在「即身仏」-日本最古と日本最後の即身仏をめぐる-

2023.08.01

みなさんは即身仏をご存知ですか?

即身仏(そくしんぶつ)とは、厳しい修行を行い自らの肉体をミイラにして残したお坊さんのこと。自らの原型を保ったまま、今もなお人々の救済を祈り続ける生き仏です。

即身仏は全国に17体あり、そのうち新潟県には4体あります。1体は、日本最古の即身仏、もう1体は日本最後の即身仏として祀られています。

新潟県で即身仏巡礼の旅に出かけてはいかがでしょうか。

即身仏の厳しい修行とは

江戸時代、疫病や飢饉に苦しむ衆生を救うべく、自らの意思で即身仏になろうと多くの方が即身仏の修行に臨みました。

その修行というものは過酷なもので、死後に肉体が腐敗しないよう肉体の脂肪分をできるだけ落とす必要がありました。そのため、米などの穀類を断ち、その代わりにかやの実、熊笹の葉の芯などを食べる事によって、腐りやすいとされる脂肪を落とし、腐りにくい体質に変えたのだそうです。また、防腐剤として毎日漆を飲んだといわれています。このような厳しい修行が3000日間が続きます。

その後、命の限界が近づいてくると深さ約3mのたて穴(入定塚)の石室の中に籠り断食に入ります。行者は読経をしながら鈴を鳴らし、鈴が鳴らなくなった時が入定となります。死が前提となるため大変な苦行です。

西生寺/長岡市

長岡市寺泊野積にある真言宗の古刹。天平5年(733)行基が開いたと言われています。
現存する日本最古の即身仏(660年前、室町時代)である弘智法印が安置されています。レプリカは自由に拝観できますが、弘智法印即身仏のご開帳は拝観料が必要です。(ただし写真の撮影はできません)

【西生寺】
拝観料:大人・高校生 500円、小中学生 300円
住所:新潟県長岡市寺泊野積8996
電話:0258-75-3441
時間:9時~15時30分
定休日:毎月28日、毎月24日午後、7月15日、8月1日
8月13日〜15日、10月 第1日曜日、冬期休観
駐車場:あり

大悲山 観音寺/村上市

真言宗のお寺で、寺伝では元海上人が開かれたと言われています。
日本最後の即身仏といわれる仏海上人(明治36年入寂)は、現在、本堂にある弥勒菩薩像の向かって右奥に安置され、自由に拝観することができます。
(ただし写真の撮影はできません)

【大悲山 観音寺】
住所:新潟県村上市肴町15-28
電話:0254-52-4707
※出られない事が多いので留守番電話にメッセージをお入れ下さい。
駐車場:あり

真言宗豊山派 真珠院/柏崎市

真言宗豊山派の仏教寺院。裏山には、「真珠院秀快上人入定堂」があり、秀快上人が安置されています。
秀快上人は真珠院第22世住職で、50歳で深く入定を決意し62歳で御入定されました。入定堂は柏崎市の指定文化財に指定されています。
※即身仏の御開帳、一般公開はしておりません。

【真言宗豊山派 真珠院】
住所:新潟県柏崎市西長鳥甲502
電話:0257-25-3301

菱潟全海堂/阿賀町

阿賀野川の難所の改善に生涯をかけた全海法師の即身仏が安置されている堂。毎年7月8日に縁日大祭としてご開帳され、300年経た今日も多くの人々が訪れます。
※年に一度、7月8日に御開帳

【菱潟全海堂】
住所:東蒲原郡阿賀町豊実甲1779 松井山観音寺境内
電話:0254-92-4766
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