球磨川の代表的な観光「ラフティング」。急流をパドルと呼ばれるオールをもってくだるレジャースポーツです。豪雨の前は多くの客が訪れ活気に溢れていました。

しかし3年前、大雨の影響で球磨川が氾濫。人吉・球磨地域は甚大な被害が出ました。ラフティング事業もまた、大きな打撃を受けたのです。

豪雨被害に加えて新型コロナウイルスによる影響…度重なる苦難を乗り越え「今年の夏こそは」という思いで準備を進めるラフティング事業者を訪ねました。

川の氾濫にコロナ禍…続いた苦境

14の事業者が加入する「球磨川ラフティング協会」代表の渕田拓己(ふちた たくみ)さんは、今年の営業に向け準備を進めていました。

球磨川の魅力を楽しめるラフティングですが、この3年は苦難の連続でした。

3年前の7月4日、大雨で球磨川が氾濫。

渕田さんの会社の事務所は浸水、同じ協会の中にはボートや機材が流される被害にあった事業者もいました。

川自体も豪雨で荒れ、営業休止を余儀なくされました。

ラフティングガイド 川越新二郎さん「見る限り流木が散乱していたり、チェーンソーを持っていって小分けにして出したりした記憶があります」

流木やがれきの回収などを行い、翌年には営業を再開しました。しかし、新型コロナウイルスの影響で客足は戻らず、苦しい経営が続きました。

球磨川ラフティング協会代表 渕田拓己さん「(売り上げは)最盛期からすると、やはり”3割程度”で止まっているのではないかな」

新型コロナに伴う規制がなくなった今、本格的なシーズンを前に、渕田さんたちは球磨川の安全調査を進めています。

今回、ガイドの川越さんの調査に同行しました。人吉市の温泉町から球磨村の渡地区までの約5キロを調べます。

川底が浅くなっているところがないか、危険な漂流物がないかを調べていきます。

川越さんは、豪雨の影響で川の形自体が変わってしまったところもあると言います。

川越さん「『涼み戸の瀬』というのがあったんですけど、そこも土砂が堆積して瀬がなくなってきている」

今回の調査は約1時間で終了。運行に問題はありませんでした。

ありのままの広大な球磨川を体験できるラフティング。今年は完全復活を目指します。

渕田さん「コロナが全然関係なくなってくるのではないかと、そういうシーズンは今回が初なので今シーズンは期待しています」

困難を乗り越え「いつもの夏」に向けた渕田さんたちの準備は着々と進んでいます。