今、熊本県内の高校スポーツが抱える問題。それは、県外への『人材流出』です。

一体なぜなのか?現状を取材しました。

菊池市の中学硬式野球チーム「熊本泗水ボーイズ」。

4月から始まる高校生活を前に、卒業したばかりの中学3年生たちも高校野球に備えて練習に励んでいました。

熊本泗水ボーイズ 坂本元蔵 選手(中3)「熊本県内の高校に行って、先輩方のように活躍できるように頑張りたいです」

一方で・・・

西口暁 選手(中3)「大阪桐蔭に行って、チームを勝たせるエースになります」

吉野颯真 選手「大阪桐蔭では4番で甲子園春夏連覇したいです」

チームのOBで、大阪桐蔭高校でキャプテンを務めた星子天真(ほしこ てんま)選手(4月から東都1部リーグの青山学院大進学)に憧れて同じ道に進む選手が2人も。

西口暁 選手(中3)「天真さんに憧れて同じ高校で野球がしたいという想いが強くて」

吉野颯真 選手(中3)「甲子園優勝、春夏連覇できるのが大阪桐蔭の一番の強みだと思います」

チームの3年生は23人。そのうちおよそ半分の11人が県外の高校に進学します。

その背景には各県の「勧誘解禁の時期」が関係していると監督は指摘します。

熊本泗水ボーイズ 松崎秀昭 監督「県外は少し早いんですよ、だいたい6月くらいに。。。県内の方はなかなかなく、11月という縛りがある。心の準備ができている選手はそこに入り込んでいるから、後から県内の高校から(誘いに)来られてもなかなかそっちに行かない」

この「解禁時期」について、熊本県教育委員会に尋ねると。

熊本県高校教育課 坂本憲昭審議員「熊本県の中学校長会から公立高校の校長会に申し入れが出されていて、(勧誘は)テスト終了日以降ということになった」

熊本県の中学校で毎年10月下旬~11月上旬にかけて行われる「共通テスト」の後から勧誘を可能とする熊本県独自のルールを設けたといいます。

そのため、この取り決めの影響を受けない県外の高校が熊本の中学生を「青田買い」をしているとみられています。

その影響もあるのか県勢のセンバツ甲子園出場は、21世紀枠を除くと6年遠ざかっており、7年連続となれば熊本県では史上初めてのこととなります。


反面、先日、日本を熱狂の渦に巻き込んだWBC(ワールドベースボールクラシック)に主力として出場した村上宗隆選手は地元、熊本の高校(九州学院)を選択してします。

熊本東リトルシニアー九州学院