SF映画のように、だれもが気軽に空を移動できる日が来るのでしょうか。
次世代の移動手段として開発がすすむ『空飛ぶクルマ』。実用化にむけた試験飛行が伊平屋村で行われ、国内初の海上飛行に挑戦。新たな可能性を示しました。

コバルトブルーの海の上を、優雅に飛行しているのは…『空飛ぶクルマ』。次世代の移動手段として、開発が進んでいます。空港の設計や運用を担う企業など4社が、先週、伊平屋島で『空飛ぶクルマ』の実証実験をおこないました。

沖縄県最北端の離島・伊平屋島。およそ1200人が暮らしています。信号機があるのは、学校前の一か所だけ…という交通事情の島にやってきた未来の乗り物。中国の空飛ぶクルマメーカー、EHang社が開発した『EH216』。全長5.6m、2人乗りの機体です。

比嘉リポーター「こちらが空飛ぶクルマの機体です。中をのぞいてみますと、操縦用のハンドルはなく、モニターがついているだけなんです。パイロットいらずで、自動運行するということです」

国内14例目となる今回の実証実験では、実際の運用にむけて、騒音の大きさや風速などを確かめます。ルートは海をまたいだ片道1キロ。無人飛行で往復します。

日本空港コンサルタンツ 平野猛也さん「伊平屋島、伊是名島におきましては、那覇から、市街地から遠いというところがありましたので、それから交通の便としましては、海上のフェリーしか今のところないということで、近い将来には、空飛ぶクルマで沖縄本島とこちらの離島を結ぶ足ができたらいいなという思いでさせていただきました」

海の上を飛行するのは国内初の挑戦です。果たして成功するのでしょうか?

関係者や島の人たちが見守る中、機体がゆっくりと浮上。空飛ぶクルマは垂直離着陸が可能で、滑走路が必要ありません。上空30メートルまで垂直に浮かび上がったあと、あらかじめプログラムされたルートを自動操縦で飛行します。

時折吹きつける海風に影響されることなく、時速10キロの安定したフライトで、往復2キロ、国内最長距離を達成しました。

Q空飛ぶクルマ、どうでしたか?
伊平屋村の児童「かっこよかった」
Qどんなところがかっこいいと思った。
伊平屋村の児童「遠くまで行くのがかっこいい。前の部分が新幹線みたい」

伊平屋村の住民「この子たちが大人になったときに、乗れるのかなって思うと、すごいいい経験ができたなと思います。本島とか行ったりとか、行ってみたいなと思いました。好きなところに行けるようになったら、簡単に。船だと波の影響とかで出なかったりするので、そういうのができたらいいなと思いますね」

日本空港コンサルタンツ 平野猛也さん「風につきましても、非常に安定感がある飛び方ができること、騒音についてもヘリコプターより小さいということ。それから2地点間もですコース取りを確実に飛べるということがわかりましたので、空飛ぶクルマの有用性をですね、ますます確信を持った次第です。世界を見渡してみますと、固定翼付きの翼のついた長距離を飛べる、空飛ぶクルマが続々とできてきております。交通の体系のありようがガラッと変わっていくことが期待されると考えています」

離島での実用化にむけ、安全性や運用面の課題を確認した今回の試験飛行。次世代の移動手段として、空飛ぶクルマの開発が、着々と進められています。

空飛ぶクルマは国内では、2025年開催の大阪・関西万博での運航を目指して、取り組みが進んでいます。あと2年足らずで空を車が走るのか!夢が膨らみます。