地価が9年連続で上昇している沖縄。国土交通省が昨年公表した“令和4年都道府県地価調査の概要”によりますと、沖縄県の地価変動率は2.7%で全国で最も高くなっています。
一方で1人当たりの県民所得はいまだに全国で最も低い状態が続いていて「家は欲しいが買うことができない」という声もあがっています。

こうした状況で比較的安価な、土地にしばられない移動する家“トレーラーハウス”という選択肢も浮上してきます。

トレーラーハウスとは、タイヤのついたフレームに乗った建物で、大型車で牽引して移動することが可能となもの。
キャンピングカーと違う点は、トレーラーハウスにはエンジンがないこと。

一般的にキャンピングカーよりも大きく、電気や水道をひくことができ、ガスは基本的にはプロパンガスの契約となり、料理や風呂など一般的な住宅と同じ暮らしができます。

そして用途は『建物』ですが『車両扱い』のため、建物の規制などを受けることがなく“固定資産税や不動産取得税”がかからないことがメリットとされていています。

沖縄県内初、トレーラハウスの製造、販売を行うパークホームズオキナワは、沖縄の風土に合わせた、台風で倒壊せず錆びにくいトレーラーハウスを自社で作っています。

1棟につき製作期間はおよそ3か月。住宅用のほか、チャペルや店舗用など、用途に合わせて内装などを変えることができます。

パークホームズオキナワが販売している、洋風なデザインのトレーラーハウスの場合、キッチンとリビング、水回りを合わせて22帖ほどの大きさで1300万円。ロフトもあるなど空間を広く使えるよう工夫がされています。

しかし移動については、交通量が少ない夜間に専用のトレーラーが牽引して目的地に運搬するため、その料金などは別途必要となります。

アメリカではおよそ80年の歴史や文化があるトレーラーハウス。国内では近年、キャンプやグランピングなど、宿泊施設としての需要が高まるなど、実用性が認められつつあります。
住宅地の地価が上がる沖縄の中で、新たな住まいの形となるのか、今後の動きに注目が集まります。