人工呼吸器の装着や痰の吸引といった医療的ケアを必要としながら自宅で過ごす子どもたち。「医療的ケア児」と呼ばれ、全国で約2万人いると推計されています。

■「脳死状態」余命1年…私は 何ができるのだろう


大分市内に住む安藤那月さん(14)は人工呼吸器を使用、自分で痰を出すことができないため、昼夜問わず3時間ごとに痰の吸引といった医療的ケアが欠かせません。


那月さんの母・歩さん「きついけど、この子と一緒に過ごすために私がしっかりしないといけない」

3歳のころの那月さんは、2人のお兄ちゃんと遊んだり喧嘩したり、元気な女の子でした。しかし、3歳8か月のころ、保育園で流行っていたおたふく風邪に感染し重症化。「脳死状態」となり医師から余命1年を宣告されました。母・歩さんの日記には当時の思いが記されています。

なぜ那月なのか、私が悪いのだったら私を苦しめてくれればいいのに、どうして那月を苦しめるのか。一番してほしくない苦しめ方をするのか。私は何ができるだろう。家に連れて帰ろう、そこが目標。那月が家族みんなに囲まれてあたたかい気持ちでいられるようにしてあげよう

安藤さん家族


那月さんの母・歩さん「脳死状態と聞き、そして余命1年と言われたとき家族が離れて暮らすという選択肢は浮かんでこなくて。この子は(生死の境を)頑張って乗り越えたから帰りたいんだろうなと一番思った」