最近400年で7回発生 瀬戸内海震源の「プレート内地震」

もう一つ、中国地方の地震活動を考える上で忘れてはいけない地震があります。安芸灘から伊予灘、豊後水道にかけての瀬戸内海を震源とする地震です。沈み込むプレート内のやや深いところで起こり、2001年に起きた「芸予地震」などと同じタイプです。過去400年間で7回発生し、繰り返し大きな被害をもたらしています。

京都大学防災研究所地震災害研究センター
西村卓也 教授

「歴史的にプレート内地震、芸予地震のようなタイプがいつ起こったのかは過去400年くらいにわたって調べられている。その記録をみる限り、南海トラフ地震の発生時期と明瞭な関係はなく、ほぼ関係なく起こっているというように見えています。
 ただ距離的には南海トラフとの距離は、内陸地震で活動期といわれている距離とほとんど同じくらい、むしろ近いくらいの距離関係・位置関係にある。理論的には影響があってもおかしくないなというようには思っている。まだそこは研究が進められていないところですね。」

京都大学防災研究所地震災害研究センター
西村卓也 教授

「地震動の周期が建物にどれだけダメージが与えるかいうのが決まってて、木造家屋ですと周期1~2秒ぐらいの波が一番被害を与えやすいと言われていますし、それより高い高層建築になってくると、もうちょっと長い周期2~3秒というような周期の方がダメージを与えやすいことが知られています。

京都大学防災研究所地震災害研究センター
西村卓也 教授

「今回、内陸の能登半島の地震は非常に木造家屋の被害が大きくて同じ震度6強でも例えば東日本大震災ではそれほど木賊家屋には被害がなかったというようなこともある。これは地震の、震源から出る揺れのタイプと、地下の地盤の両方が絡まってどういう周期の揺れが卓越するかで変わってくる。

京都大学防災研究所地震災害研究センター
西村卓也 教授

「特に内陸直下型の地震では比較的周期の短い木造家屋に被害を与えるような波も出やすい傾向があって、プレート境界地震は比較的震源が遠いので短い波が減衰して被害が抑えられることもありますので、単純に震度だけで被害を議論することはできませんから、やっぱり直下型地震とか、プレート内地震もそうですけど、プレート内地震も比較的、短い周期の波が出やすいと言われているので、色々と想定して備えてほしい。」