■10年ぶりに再登場のブリジット デザインの秘密は現実味
ーーブリジットを10年ぶりに登場させようと思ったのはなぜですか
片野氏:
元々国内では人気があるキャラクターで、当然、キャラクターとして復活させる候補の対象だったというところもありますが、一番最初から入れようという話はなかったです。ただゆくゆくはゲームのキャラクターを全員もう一度出したいという話もあって、それで候補の中に入っていたというところでしょうか。
ーーブリジットを実装するにあたって、懸念や葛藤は
石渡氏:
設定を変えるということも、今回にあわせて何か変えたというところも実はないです。ただ新作からは、キャラクターの服装などが現実味を帯びるデザインになるよう統一しています。例えばシスター服みたいなのが現実的かどうか。これで街を歩いてどう動くのか。
ゲームの映像表現が非常にアニメに近いものになってきたので、普段着として使えないようなものを着て街中を歩いているとか、そういう違和感を覚えるビジュアルにならないよう、普段着としても使えるよう模索していて、それが今回の服装デザインになっています。
ーーブリジットのデザインはかなり好評でした
石渡氏:
正直そんなにピックアップされているほど僕は強い意志を持っているわけではないんです。ただ「男の子だったらこういう感じかな」とか「こうしたいよな」ということを気にして描いていた部分がすごくピックアップされて、すごいなと思いました。
ーー男性の体の特徴を捉えた上でのデザインだったんですね
片野氏:
女性の体のキャラクターだったら同じデザインはしていなかったと思います。
石渡氏:
そうですね、すごく自然にデザインした部分が意外にもみなさんに気に留めているんだなみたいな感覚が近いですかね。
片野氏:
この話題に限らないですけれども、今の時代のファンだったりユーザーさんの考察力というか分析にかける熱意はすごいなというのは、我々もよく話しています。
ーーデザイン面でこだわった部分などはありますか
石渡氏:
強いて言うと、頭にトランスジェンダーマークがあるんですが、それは元々男性のシンボルマークだったのを明確な意思を持って変えたっていうのはあります。それは強いこだわりですかね。
ブリジットのラフを僕が書いたときには既にトランスジェンダーのマークが描いてあったのですが、清書をしてちゃんとモデリングするための設計図を描く人間が「このマークはこれでいいんですか」という話になって、1回古いデザインに描き直されたんですが、元に戻してくれました。
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⇒ インタビュー後編に続く
「ブリジット」性自認公表の舞台裏 開発者がゲームに込めた思いとは?