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「消えてなくなりたい」からの再出発。活動休止を経て「エグスプロージョン」が明かす今の本音

中西正男芸能記者
「エグスプロージョン」のまちゃあき(右)とおばらよしお

 「本能寺の変」など歴史上の出来事をもとにしたダンスで一躍注目を集めた2人組ダンスユニット「エグスプロージョン」。2017年12月にはメンバーのおばらよしおさん(37)が、交際女性を負傷させたとして傷害容疑で書類送検される(その後、不起訴処分)トラブルが起こりました。昨年5月から12月までおばらさんが活動休止となり、その間はリーダーのまちゃあきさん(38)が一人でステージに立ちました。11月27日にはアルバム「UNO」をリリースし、来月からは東名阪ツアーも開催。今年は新生「エグスプロージョン」を見せる年ともなりましたが「消えてなくなりたいと思った」と再生までの生々しい感情を吐露しました。

1年以上遅れてのリリース

 まちゃあき:本当だったら、去年の夏頃にこのアルバムを出す予定だったんです。ただ、ま、いろいろなことがあって相方が活動を休止してまして。今年から相方が本格的に復帰したので、やっと出せたという感じです。もう一回「『エグスプロージョン』は二人なんだよ」というメッセージにもなるかなと。

 去年5月から年末までは僕一人でやってまして、その間にも曲は作っていた。もちろん、僕としても、とても感情が揺れた日々でもあったので、一番直接的に、ダイレクトに「エグスプロージョン」の感情が表れている作品になっているんじゃないかと。

 音楽って、ウソがつけないんだなと改めて感じました。やっぱり、歌詞にしても、メロディーにしても、その時の自分の感情が出てるんです。苦しい時には、抗うような曲になる。最近作った「八月の風」という曲は相方が戻ってきてからの曲なので、温かい曲になっていますしね。

 2年数カ月ぶりにCDを出すんですけど、ずっと僕たちを見てくださっていたファンの方々にとっては、とても心が忙しいというか、あらゆる感情が次々に押し寄せてくる作品になっていると思っています。出すのが1年以上遅くなりましたが、その分というか、それ以上に厚みのあるものになった。これは確実にそう思います。

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消えてなくなりたい

 おばら:実は、僕は引退するつもりだったんです。なので「前向きに自分を見つめなおす」という考えではなく、ファンの皆さんに、相方に、周りの方々に迷惑をかけてしまった。ただただ、それに対する圧倒的な後悔。そこしかなかったんです。

 本当に正直な話、ずっと頭にあったのは「消えてなくなりたい」ということ。自分に対してネガティブなことばかりが頭に浮かんでました。

 前向きな方向の考えも出てきたのは、皆さんの尽力のおかげで、もう一回活動を再開するとなった時からでしたね。それでも再開当初はそこまで前向きにはなれていない自分がいて、活動を実際にやっていく中で「じゃ、どうしたら、もっとお返しができるのか」、それを考えられるようになっていきました。

 自分の中で大きかったのは、復帰するとなった時の相方の一言でした。「いや、オレも腹立ったよ」と笑顔で言ったんです。それを聞いた時に、明らかに自分の気持ちが変わったんですよね。

 もちろん、自分がトラブルを起こしたわけだから相方からどう思われようが「そら、そう思われるだろうな」という思いはあったんですけど、実際にその言葉を聞いて「やっぱり、そうだよね」という感覚になった。でも、そこの確認ができて、そして、そこを相方が笑顔で言ってくれたことで、何て言うんでしょうか、一つ前に進めたというか…。

 そこから「よしおはこうしていった方がいいと思うよ」といろいろなことを具体的な言葉で指し示してもくれて。自分でも何となくそう思っていたことをしっかりと確認させてくれると言いますか。やっぱり、リーダーなんですよね。

UNOの理由

 まちゃあき:相方が戻ってきて、まずはファンの皆さまに改めてこれが「エグスプロージョン」ですよということを伝えないといけない。今年はそれをやる一年だと思っていたので、ゆっくりと散歩するイメージというか、ファンの皆さまと一緒に歩いた年だった気がすごくします。

 去年、僕が一人で活動している時、ライブでステージに出ると、事件のこともみんな知ってますし、何が起こったかも分かっている。だからこそ、僕が出て行ったら、笑顔で盛り上げようとしてくれるんです。

 でも、それ以上に、ファンのみんながメチャクチャ不安でいっぱいというのもよく分かるんです。その時に「これは絶対に相方を待たなきゃいけない」と確信しました。そして、もう一回やる。こんないい子たちをこんな思いにさせてしまっている。それはダメだと。

 そして、ライブ後に言ったんです。あまり事細かに言うのも憚られる状況でもあったんで、抽象的な言葉になってしまったんですけど「大丈夫だから」と。じゃ、その一言で本当に顔がパッと変わって、安どの表情になった。

 もちろん、本当に申し訳ないことをしてしまったんですけど、あの時の空気は忘れられないし、みんなとの絆は間違いなく深まったと思っています。だからこそ、今回のアルバムのタイトルは「UNO」、すなわち“1”。みんな一つという意味で、このタイトルにしたんです。

 おばら:復帰してから、自分の中のルールというか、決めたことがありまして。“全部、全力”。何もかも、中途半端にはしない。情けない話、休止する前の自分はそれをやりきれていなかったところがある。でも、今は自分の中の天井までやりきる。当たり前のことかもしれませんが、全てにおいてそれをやる。それは僕が最低限やらないといけないことだろうなと。

 それをやってみて気づいたのは「相方は、ずっとこの温度でやってきたんだな」ということでした。リーダーとして、作曲にしても、作詞にしても、劇団を立ち上げて芝居をやるということに関しても、全て先頭で舵を切ってくれてきた。こういう気持ちでずっとやってきていたんだなというのが、ただただ情けない話、やっと本当に見えました。

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 まちゃあき:ま、ビビリなんだと思います。よく自分のことを野球のキャッチャー的なものの考え方だというんですけど「このコースに投げたら打たれるんじゃないか」「こうやったらピンチが広がるんじゃないか」とか考え方の入りがネガティブなんですね。なので、どうしても不安は多くなるし、そう考えると走るしかねぇなと。刀を研ぐというか、常にそういうことをやっていないと不安というか。

 そんな中でも、今年はファンの皆さまと本当に心地よい一年を送れたのかなと感じています。みんなとニコニコしながらハイキングするみたいな。ま、来年はいきなりダッシュして、みんなが「おい、どこ行くねん!」みたいな一年にしたいと思っています(笑)。

(撮影・中西正男)

■エグスプロージョン

1981年10月9日生まれで山口県出身のまちゃあきと82年3月12日生まれで神奈川県出身のおばらよしおのダンスユニット。2002年、同じダンススクールに通うメンバーで結成。日本テレビ「スーパーチャンプル」などで注目され、10年から吉本興業に所属。YouTubeに公開した動画「踊る授業シリーズ」がヒットし、中でも15年に公開された「本能寺の変」でブレーク。17年、おばらが交際女性の頭部を叩き軽傷を負わせた疑いで神奈川県警に書類送検され、その後不起訴処分になった。17年7月以来のリリースとなるアルバム「UNO」を11月27日に発売。また来月からは大阪、名古屋、東京でライブツアーも行う。まちゃあきはアイドルグループ「吉本坂46」のメンバーとしても活動しており、同グループ3枚目のシングル「不能ではいられない」が12月25日にリリースされる。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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