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日プ女子から生まれたME:Iが示す、サバイバルオーディションの定着とアイドル再デビューへの道

武井保之ライター, 編集者
11人のメンバーが決定したME:I(C)LAPONE Entertainment

 今年4月から募集がはじまった日本版サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』の最終審査が12月16日にTBSで生放送され、デビューする11人のメンバーとグループ名がME:I(ミーアイ)となることが発表された。

 もともと『PRODUCE 101』は韓国の音楽専門チャンネルMnetが放送していたサバイバルオーディション番組だが、2019年にそのフォーマットを輸入して日本版『PRODUCE 101 JAPAN』(日プ)がスタート。

 第1弾でJO1、第2弾でINIとボーイズグループがデビューし、JO1は今年初のアジアツアーとドーム公演を成功させ、2年連続でNHK紅白歌合戦に出場。INIも来年早々のドーム公演が決定しており、2組とも華々しい活躍を続けている。

 そうしたなか、コロナを経て今年開催された第3弾となるガールズグループの募集では、日プシリーズ歴代最多となる1万4000人の応募から101人の練習生が選ばれ、8月からの番組オーディションで50人、35人、20人、11人と国民プロデューサー(視聴者)の投票でメンバーが選抜され、この日に最終順位が決定した。

スターへの道が確約されたオーディション

 韓国式のサバイバルオーディション番組は、2019年前後から日本上陸が続き、ガールズグループでは期間限定だった日韓混合グループのIZ*ONE(2021年に活動終了)のほか、韓国でも活動中の日本人グループのNiziUが、デビュー直後からスターダムを駆け上がり、メジャーシーンで幅広く活躍している。

 こうしたオーディションデビュー組の実積および、オーディション参加者数の増加傾向、メディアやネットの注目度の上昇ぶりからは、日プをはじめ大手メディアが参画するサバイバルオーディション番組が、スターへの道を確約する最短ルートとして、参加者からも視聴者からも認知されていることがわかる。

セカンドチャンスの道を広げた日プ女子

 今回のME:Iのメンバーを見て興味深いのは、1位の笠原桃奈は元アンジュルム(ハロー!プロジェクト)、9位の石井蘭は元Girls2(SL Square LLP)、11位の加藤心は元Cherry Bullet(FNCエンターテインメント)のメンバーとして活躍していたこと。

 日プと韓国版プデュの大きな違いは、韓国版はデビュー後のグループ活動が期間限定になり、芸能事務所の所属者でもオーディションに参加でき、現役アイドルグループのメンバーも合格していたこと。プデュでのグループデビューで人気を得て、活動期間を経た解散後にまた元のグループに戻るといったドラマが生まれていた。

 それに対して、日プは従来の日本の新人発掘オーディションと変わらないフォーマット。そこに今回は、元アイドルグループのメンバーであり、芸能活動の経験や歌、ダンスの素地がある才能が、セカンドチャンスとして日プ女子という大きな看板のオーディションに参加し、新たな道を実力で切り開いた。

 そこからは、デビューを目指す素人だけではない日プ参加者層の厚みを示すのと同時に、アイドルデビューが“新卒”だけではなく“中途採用”も当たり前の実力主義になっているファンの意識が見えた。

 元IZ*ONE、HKT48の宮脇咲良がK-POPグループ・LE SSERAFIMで活躍している例もあるが、韓国ではオーディション番組を経た再デビューは多い。日本でも、さまざまな理由での脱退や卒業、解散などを経た元アイドルグループメンバーによるオーディション参加という横への動きが、より一般的になっていくのではないだろうか。

ME:I(ミーアイ)デビューメンバー順位

1位・笠原桃奈、2位・村上璃杏、3位・高見文寧、4位・櫻井美羽、5位・山本すず、6位・佐々木心菜、7位・飯田栞月、8位・清水恵子、9位・石井蘭、10位・海老原鼓、11位・加藤心

ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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