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ドジャース移籍を拒否した投手は、ドジャースと同地区の違う球団へ。契約は4年8000万ドル

宇根夏樹ベースボール・ライター
エデュアルド・ロドリゲス Aug 2, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 デトロイト・タイガースからFAになったエデュアルド・ロドリゲスは、来シーズンからアリゾナ・ダイヤモンドバックスで投げるようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらが、4年8000万ドルで契約、と報じている。

 この夏、ロドリゲスは、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍する可能性があった。ESPNのジェフ・パッサンとジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらによると、タイガースとドジャースはトレードについて合意に達したものの、ロドリゲスが拒否権を行使したらしい。

 今オフ、ロドリゲスは、タイガースと交わしていた5年7700万ドル(2022~26年)の契約を打ち切り、FA市場に出た。この契約には、10球団に対するトレード拒否権と、今オフに行使できるオプト・アウトの権利がついていた。

 タイガースはア・リーグ中地区、ドジャースとダイヤモンドバックスはナ・リーグ西地区に属している。今年、ダイヤモンドバックスはリーグ優勝を飾ったものの、レギュラーシーズンは地区2位。100勝のドジャースに対し、ダイヤモンドバックスは84勝にとどまり、16ゲーム差をつけられた。

 ロドリゲスは、来シーズンの開幕直後に31歳となる。規定投球回に達したシーズンは、2019年(203.1イニング/防御率3.81)しかないが、100イニング未満も、2022年(91.0イニング/防御率4.05)だけだ。2021年と2023年は150イニング以上を投げ、2023年は防御率3.30を記録した。4シーム、カッター、チェンジアップを主要3球種とする。2023年の奪三振率と与四球率は、8.43と2.83だった。

 ロドリゲスが途中で打ち切った契約は、あと3年4900万ドルが残っていた。新たな契約は、それよりも1年長く、年平均額も高い。

 来シーズン、ダイヤモンドバックスのローテーションには、ザック・ギャレンメリル・ケリー、ロドリゲス、ブランドン・フォートが並び、5枠目には、ライン・ネルソントミー・ヘンリーが入ると思われる。あるいは、他にも先発投手を手に入れるかもしれないが、ロドリゲスほどの大きな契約ではないはずだ。ローテーション入りの候補、といったところだろう。

 ちなみに、ドジャースに対し、ロドリゲスの通算防御率は5.85だ。もっとも、2016年、2019年、2022年、2023年に1登板ずつなので、サンプル数としては少ない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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