【2022年最新版】探査機ジュノーが捉えた木星の実写映像集と新発見まとめ
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「木星の最新映像集と新発見まとめ」というテーマで動画をお送りしていきます。
木星探査機ジュノーは2011年8月5日に地球から打ち上げられ、打ち上げから5年後の2016年7月5日に木星を周回する軌道に乗ることに成功しました。
2022年現在まで、強い放射線帯という危険な環境を乗り越えながら、ジュノーは観測を続けてきました。
今回は、そんなジュノーが捉えた、最新の木星の神秘的な映像と、そこから得られた数々の新発見を紹介していきたいと思います。
●大赤斑の接写画像
こちらは2021年12月に公開された、木星大赤斑の超接写映像です。
ジュノーが収集したデータから、大赤斑は雲の上の部分から深さ500kmまで続いており、当初の予想よりも遥かに深くまで続いていることが明らかになりました。
さらに2021年の9月には、ジュノーではなくハッブル宇宙望遠鏡の観測により、大赤斑の新たな画像と風速にまつわる新情報が得られたと発表がありました。
こちらはハッブル宇宙望遠鏡により撮影された大赤斑(左)と、大赤斑の場所ごとの風速を表した図(右)です。
ハッブル宇宙望遠鏡が観測してきた画像を解析した結果、このような詳細な風速の分布まで明らかになったんですね。
内側の円と外側の円の部分のどちらも反時計回りで風向きは同じですが、内側の部分は風速40m/sと地球の強い台風と同程度である一方、外側の部分は風速100m/s越えと地球上のどんな嵐よりも強力な風が吹いていることが示されています。
さらに大赤斑の境界部分(画像内で外側の円の部分)で示された領域では、2009~2020年にかけて平均風速が最大で8%、時速換算で約650kmも加速していることが明らかになりました。
このような変化が明らかになったとはいえ、まだまだ大赤斑の内部構造等、未知の部分が多く残っているため、速度の増加の原因を理解することは難しいようです。
●クライド・スポット
2020年6月、木星の大赤斑の南東領域に楕円形の構造が現れていることが確認され、「クライド・スポット」と命名されました。
この画像を撮影したジュノーのチームは、クライドスポットは木星大気内からその最上層へ噴出した、巨大な雲の塊であると考えています。
このような構造は木星のこの緯度帯で時折発生するものの、通常は短期間で消滅するそうです。
ですが2021年4月に同様の構造の再観測を行った結果、なんとクライドスポットは消えずに残っていました。
さらに大赤斑から離れる方向へ移動していました。確かに左上に大赤斑が見当たりません。
それどころかこのように比較すると一目瞭然ですが、構造が明らかに崩れ、元の何倍も巨大化していました。
このような木星の大気で起こる不思議な現象については、今後も探査が行われることで詳細なメカニズムが解明されることに期待がかかります。
●禍々しい北極の嵐群
木星の北極には、巨大な1つの嵐を中心として、それを取り囲むように直径4000km以上のサイズの嵐が分布する、奇妙な構造が発見されています。
こちらの画像は2020年2月から同年7月までにジュノーが行った4回の木星接近の際に得られたデータを、さらに細かい構造が理解しやすいように着色した画像となります。
とても禍々しい雰囲気が特徴的です。
これらの嵐群がなぜこのような構造をしているのかは、現在でもはっきりとは解明されていません。
木星には様々な大きな謎が残されていてロマンがありますね。
また今回の関連で、土星探査機カッシーニは、2004年6月30日から2017年9月15日までの間に渡って土星系で現地探査を行い、その間に実に453048枚という膨大な画像データを得ました。
それらの実写画像3万枚以上を組み合わせて、CGなどを一切用いずに制作された土星系の「実写動画」も公開されています。
以下の動画にて実写動画の紹介と解説をしているので、併せてご覧ください。