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相川七瀬、44歳を迎えて今思うこと

中西正男芸能記者
仕事への思いを語る相川七瀬(写真は所属事務所提供)

 日本を代表するロックディーヴァ・相川七瀬さん(44)。中村あゆみさんとタッグを組んでの新プロジェクト「ANNA」として、6月26日にアルバム「W」もリリースしました。来年でデビュー25周年。今の思いをストレートに語りました。

自らの将来像

 あゆみさんとの出会いは2015年に行われた(女性ミュージシャンによるロックフェスティバル)「NAONのYAON」でした。そこでご一緒したことがきっかけで、公私共々かわいがっていただくようになりました。

 そして3年ほど前にコラボライブをした時、すごく盛り上がったんです。何か一緒に作品を作れたらということをずっと話していて、今回のプロジェクトにつながっていきました。

 「NAONのYAON」で出会ったアーティストの皆さまには本当にお世話になっているんですけど、中でも、あゆみさんや私はソロの歌手。バンドのボーカリストではなく、ソロという形。ソロにはソロの特有の悩みがあって、それを話した時に、あゆみさんがすごく理解してくださったんです。

 年齢的にも9歳あゆみさんが上で、自分の将来像をあゆみさんに見ているところもありまして。あゆみさんからも、いろいろな助言をいただいています。

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常に100%をキープ

 ちょうど私があゆみさんにお会いしたのが40歳の時で本当の意味での声帯のアンチエイジングをしないと、高いキーが出なくなると。気さくに、丁寧に、声を保つにはこのビタミンが良いとか、のどのケアにはこの漢方が良いとか、いろいろと教えてくださるんです。本当に感謝するばかりです。

 私は学生の頃からあゆみさんの歌を聞いていたので、アドバイスをもらえることにも感動ですし、その方が横にいてくださるという贅沢な環境に喜びを感じています。(笑)

 実際、あゆみさんにお話をうかがうようになってから、声をつぶすということが、すごく少なくなりました。

 うちは子どももいるので体のケアはしてきたつもりだったんですけど、さらにもう一段、気を付けるようになったと思います。「アレ、少しおかしいかも」と思ったら、こじらせる前に、素早く芽を摘んでいくというか。

 10年前まではどちらかというと、歌もパワーで押し切ってきていた。その中で、のどをこわしたりもしました。今から思うと、自分のコンディションを知ることができてなかったんでしょうね。

 でも、今はそこが把握できているし、把握できているからこそ、おかしいところがあったら、すぐに治す。その積み重ねで、常に100%のパフォーマンスができるコンディションをキープしておく。当たり前のことなんですけど、それをしっかりとやるようになりました。

誰かのために歌う喜び

 特に心がけているのが、ボーカリストとして“CDと同じ状況でいる”ということ。ここはものすごく気を付けています。キーは下げない。声量も落とさない。ライブに来てくださったお客さんに、CDで聴いてくださっていたイメージそのままの歌を届けたい。

 そのためには日々のケアもだし、体、そして、声帯のトレーニングも必要です。そこは40歳を超えてから、特に強化してきた部分ではあります。

 来年でデビューから早いもので25年。10周年の頃は、自分のために歌っている部分がすごくあったんです。だけど、20周年になって、ふと気づいたのは、自分ではなく誰かのために歌っていることが喜びになっているなと。ここは歌手として、大きく成長した部分なのかもしれません。

 若い頃は自分の恋愛だとか、悲しさ、嬉しさが歌詞の中にあって、それを自分自身に対して歌っている側面もあったのが、歳を経るごとに、だんだん対象が大きくなっていった。今は意識として、対自分ではなく、対目の前に居る皆さんです。

 人間も20歳で成人式を迎える。20年やったということは、歌手としても成人したのかなと感じました。さらにこの先の30周年にどう進んでいくのか。これが今の自分の大きなテーマだと思っています。

 歌という一つのことを20年、25年続けられる力が自分にあった。ここは、自分で自分をほめてあげたいと思います(笑)。それはファンの方々や、周りのスタッフの支えがあってのことだし、より一層、感謝の気持ちを持って歌っていきたいと思っています。

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■相川七瀬(あいかわ・ななせ)

1975年2月16日生まれ。大阪府出身。95年、織田哲郎プロデュースによる「夢見る少女じゃいられない」でデビュー。96年、ファーストアルバム「Red」をリリースし、オリコンアルバムチャート初登場で1位を獲得する。同年「NHK紅白歌合戦」に初出場。2001年に結婚し、長男、二男、長女を授かる。中村あゆみとのプロジェクト「ANNA」として先月26日アルバム「W」をリリース。二人がリスペクトする宇崎竜童、阿木燿子が手がけた「ロックンロール・ウィドウ」などの名曲をカバーするのがテーマで、さらに新曲として「W・ブッキング」と「ミュージック・ミューズ」も収録されている。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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