Yahoo!ニュース

【京都市】知ってた?「京都のマンホールの上下の見分け方」そんな小ネタも盛りだくさんの人気ガイドツアー

松田洋平ライター(京都市)

ユニークな切り口で京都の観光スポットを案内するガイドツアーの「ことぶら」。なかでも、参加者がルーレットをまわしてゴールを目指すという「京都ルーレットツアー」は今年で9年目となる人気のツアーです。

ルーレット次第で、ゴールもルートも変わるため、何回参加してもゲーム感覚で楽しめます。実際に常連のお客さんも多く、集合場所では、参加者同士の「お久しぶりです」という挨拶が交わされる、ほのぼのとした雰囲気。

さて、今回はゴール……いえ、ゴールできないのが当たり前のツアー、今回はどんな発見があったのでしょうか!?

「京都ルーレットツアー」はどんなツアー?数年間ゴールなしでも盛り上がる秘密とは?

「京都ルーレットツアー」はその名前の通り、ルーレットによって行き先が変わるというユニークなガイドツアーです。

「京都ルーレットツアー」のルール

参加者が順番にルーレットをまわし、方角や進行する区画数が決まります。「北」「5」なら北へ5区画分進み、そこでまたルーレットをまわし、ゴールを目指すというルールです。“碁盤の目”と言われる京都の街区ならでは。

参加者がまわすルーレット
参加者がまわすルーレット

ルーレット上には方角のほか、進む方角を選べる「舞妓さん」や進行方向とは逆に戻らないといけない「ジョーカー」といったキャラクターが登場し、ツアーを盛り上げてくれます。

ふだん、自分では選んで歩かないような路地を歩くことも多く、新鮮でワクワクとした気持ちになります。

自分では歩かない路地を歩く楽しみも
自分では歩かない路地を歩く楽しみも

参加者もゴールすることを期待していない(と思われる)ので、ゴールを紹介することにあまり意味はないように思いますが、一応、5つのゴールが設定されています。これらのうち、前回のゴールをのぞく、4つのゴールのいずれかを目指します。(ゴールした実績があることに驚きです!)

  1. 北野天満宮
  2. 下鴨神社
  3. 六角堂
  4. 梅小路公園
  5. 三十三間堂

「京都ルーレットツアー」を盛り上げるツアーガイド・吉村晋弥さん

どのルートを通るかわからないのは、参加者にとっては楽しみですが、ツアーガイドにとっては過酷な条件です。

そんな「京都ルーレットツアー」のツアーガイドを務めるのは、吉村晋弥さん。なんと京都検定1級を6年連続最高得点で合格している、京都観光ガイドのプロフェッショナルです。

ツアーガイドを務める吉村晋弥さん
ツアーガイドを務める吉村晋弥さん

吉村さんは、ルート上にあるさまざまなものに目を光らせ、参加者が喜びそうなネタを見つけては立ち止まり、わかりやすく解説してくれます。

こちらはお寺に掲出されていた“永観堂のポスター”をもとに、永観堂が所蔵する寺宝について話す吉村さん。参加者のみなさんが興味深く聞き入っているのがわかりますね。

吉村さんの話に耳を傾ける参加者のみなさん
吉村さんの話に耳を傾ける参加者のみなさん

ふつうに歩いていれば見過ごしてしまいそうな、路地裏の小さな神社も、吉村さんにとっては絶好のガイドネタ。説話を交えながら、おもしろく教えてもらえます。

柳小路にある「八兵衛明神」
柳小路にある「八兵衛明神」

「ちょっと聞いて!」とだれかに話したくなるような小ネタが盛りだくさん

「京都ルーレットツアー」は、有名な観光地をまわるガイドツアーとは違い、京都で暮らしている人にとっても新しい発見があるのがおもしろいところ。

今回のツアーで個人的に「ほへぇーーー」と声を出してしまった小ネタのうち、2つをご紹介します。

京都のマンホールの上下の見分け方

まずは、こちらが京都市内に設置されている一般的なマンホールのデザインです。

京都市内のマンホール
京都市内のマンホール

日常生活のなかでマンホールをじっくりと見る機会はなかなかないので、マンホールのデザインを見てもあまりピンと来ないかも知れません。

実はこのマンホールにはちゃんと“上下”があるそう。

真ん中のマークは京都市の紋章です。京都市の紋章は「京」の字を図案化したもので、“ナベブタ”の点と、左右の点の3つが太くなっています。

この3点のうちのいずれかが“ナベブタ”の点、つまり“上”になります。では、どれが“ナベブタ”の点であるかを見分ける方法ですが、マンホール全体のデザインをよーーーく見ると、円の中の“十字”の直線上にある“点”は、ただひとつ。これが“ナベブタ”の点だそうです!

ぜひマンホールを見かけたら確認してみてください。

四条通りのビルにある巨大な車輪の謎

もうひとつが、四条通りにあるビルの壁に取り付けられた巨大な車輪。

これが祇園祭の鉾の車輪をイメージしていることはわかると思います。

ビルの壁面にある巨大な車輪
ビルの壁面にある巨大な車輪

ですが、実はこのビル全体が鉾をモチーフにしてデザインされているそうです。吉村さんの説明を受けてビルを見上げると、たしかに!

ビル全体が鉾をモチーフにしたデザイン
ビル全体が鉾をモチーフにしたデザイン

これからビルの前を通るたびに見上げてしまいそうです。

年内の開催はすでに満席!来年の開催スケジュールを楽しみに!

最後は「ことぶら」代表の田中英哉さんから今回歩いたルートを記した地図を見せてもらい、終了。今回もゴールしていないのは言うまでもありませんが、2時間かけて、ほぼほぼスタート地点の近くまで戻って来た感じです!(笑)

「ことぶら」代表の田中英哉さん
「ことぶら」代表の田中英哉さん

次回の「京都ルーレットツアー」は2023年12月23日(土)の開催ですが、なんとすでに満席とのこと。

「ルーレットツアーに参加してみたい!」というかたは、「ことぶら」の公式ホームページや公式X(旧Twitter)で今後の開催スケジュールをチェックしてみてください。(2023年10月29日時点では来年の開催スケジュールは未定です)

───────────────
京都ユニークイベント「ことぶら」
───────────────
「ことぶら」とは
「ことぶら」開催スケジュール
公式X(旧Twitter)

ライター(京都市)

人気の観光地として国内外から多くの人が訪れる京都。長く暮らしていても、意外と見過ごしている魅力がたくさんあります。身近にある歴史的なスポットや京都ならではのグルメ情報をお届けします。

松田洋平の最近の記事