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ガラケー、終活、減塩!?リアルなのにファンタジー!「THE ALFEE」長く続く秘訣とは…

島田薫フリーアナウンサー/リポーター
「THE ALFEE」(左から)桜井賢さん、坂崎幸之助さん、高見沢俊彦さん

 『メリーアン』(1983年)発売以来、チャート誌に55作品連続ベスト10入りを果たしている「THE ALFEE」。毎年ツアーを行い、日本のグループとしては現在コンサート最多本数を誇ります。48年間、第一線で活躍を続けながら、新鮮さもALFEEらしさも失わない稀有な存在。大学時代から活動を共にしている3人(桜井賢さん、坂崎幸之助さん、高見沢俊彦さん)は、なぜ今も変わらず仲がいいのか、グループが長く続く秘訣も聞いてみました。

—48周年を迎えて、変わったこと・変わらないことは何でしょう?

坂崎:変わったことは“見た目”ですね。「変わらない」と言われるけど、それはずっと(メディアに)出続けているからでしょうね。よく、クイズ番組の問題で、街の風景が動画で徐々に変わっていって、信号が無くなっているのに気づかないとかあるじゃないですか。最初と最後だけ見ると、完全に信号が消えていました…となるのと同じで、40年前の3人と今の僕たちは全然違いますよ。 毎年ツアーをやって、曲も定期的に出していますから、変わらなく見えますが。中身は未だに中2です(笑)。

桜井:3人は変わってないけど、デビューしてからデジタル機器の発達で、使用機材などがかなり変わっているので、それに合わせなきゃいけないというのはありますね。

高見沢:パソコンやスマホも持っていないお前が言うな!

桜井:あっ?そうでした!合わせていませんでした(笑)。でもスマホは持ってないけどガラケーは持っています。ガラケーまだ使えますよ、2026年まではね。

高見沢:桜井がすごいのは、自分が使う時に電源を入れるので、かけても繋がらないガラケーなんです(笑)。

—メールやLINEは?

桜井:メールは(打つのに)30分くらいかかるので、電話の方が早いんです。電話なら1分で終わりますからね。メールで「これから電話していいですか?」って何なんですか、そんなこと!いちいち聞くなっつうの。

坂崎:桜井は今でもFAXですからね。 通信手段は“FAX”と“狼煙(のろし)”です(笑)。

桜井:FAXは大事なんだって!この間、某社の通信障害でメールや電話が使えない騒動があったでしょう。 そういう時に役立つのが“有線のFAX”。

ガラケー・FAXを愛用する桜井賢さん
ガラケー・FAXを愛用する桜井賢さん

—最近FAXでやり取りした内容は?

桜井:日常的に使用しています。仕事のやり取りはFAXですし、週1でファンサイトの短いテキストを書いていますので必要なんです。もちろん手書きでね。

高見沢:まるで昔の文豪!!

坂崎:でも、一番トンチンカンなのは、高見沢ですよ。靴下は、左右が違うのは当たり前、裏表が片方違うのもありますね。さらには、上下が違うのもあります。かかとが上に来ているんですよ(笑)。

高見沢:いつもではないですよ。時折です(笑)。足が包まれていればいいんです。

桜井:僕は何でも気になる性質だから、こういう人(高見沢)がいると自分が小さい人間だなと思って、最近ちょっとズボラになるようにしています。

坂崎:本棚やレコードラックの整理をするのは桜井が一番上手ですね。あいうえお・ABC・アーティスト順にキレイに並べるし。1ヵ所でも空くと、すぐに入れ直したり。逆に、レコードジャケットと中身が違うのが高見沢だね。 「レッド・ツェッペリン」(イギリスのロックバンド)のレコードジャケットに、山口百恵さんのレコードが入ってたり、ビックリだよね。それを高見沢の部屋でよく桜井が直してたな。

—「THE ALFEE」は『メリーアン』(1983年)以来、すべてのシングルがチャートインしています。このすごさは何なのでしょうか?

高見沢:ファンの方の情熱的な応援の賜(たまもの)です。最近は、コロナ禍でどこも行けないから、動画サイトでたまたまALFEEを見つけてファンになった方もいるらしいと聞きます。長く続けるとは、こういうことかもしれませんね。

楽曲制作について語る高見沢俊彦さん
楽曲制作について語る高見沢俊彦さん

—今回の新曲は、どういう思いが込められたものですか?

高見沢:最近は、バラードやミディアムテンポの曲が多かったので、僕らのハードな部分を出してみたいなということで作ったのが『星空のCeremony』です。これは桜井の艶のある声を想定して作った楽曲です。桜井の一番良い部分のキーも考えて作りました。

—歌ってみていかがですか?

桜井:期待に沿うように頑張って歌いましたよ(笑)。テンポがあって、覚えやすい楽曲だと思います。

—『星空のディスタンス』(1984年)とは何か関係があるんですか?

高見沢:関係性はないけど、意識はしました。タイトルがいきなり「星空」ですからね。それにしても “ディスタンス”というワードは、コロナ禍によって全国的にブームになりましたよね。発売当時の84年よりも広まった気がします。遠距離恋愛ということでは、共通点はあるかもしれませんね。

坂崎:最初にタイトルを聞いた時は「くすっ」としました。「星空、来たか!」みたいな。『星空のRENDEZVOUS』という曲もあるので、ディスタンス・ランデブー・セレモニーの“星空三兄弟”みたいですね。

—ずっと曲を作り続けていますが、“産みの苦しみ”ですか?それとも降りてくるのですか?

高見沢:降りてきたら楽ですよ。 降りてこないから作るんですよ。とは言っても苦しくないですよ。桜井の声や坂崎の声、それに自分の声を想定すると、発想は無限に湧いてきますからね。3人でいるからこそ、僕は創作出来るんだと思います。

—お互いリスペクトしているのはどういうところですか?

高見沢:自分にはできないことをアイツは出来る!そうやって、認め合うことは最初からありましたからね。とにかく3人ともリードボーカルが取れるのは強みですし、それぞれカラーの違う声が合わさることによって独特な「THE ALFEE」サウンドを生み出していると思います。

坂崎:それぞれ1人ではやっていけないと分かっていますから。この3人で、やっと他のアーティスト1人分。1人で頑張って桜井よりうまくなろうとか、高見沢よりいい曲を書こうとかやっていたら大変なことになるので。助け合いで持ちつ持たれつなのが、このグループの良さじゃないですかね。

桜井:ALFEEに対する考え方が3人とも一緒なのが、バンドとして長続きしている秘訣なのかと。それぞれの持ち場があって、これが合わさって今のALFEEがあるわけですから、1つ欠けたら補充がきくかと言ったら、そんなもんじゃないです!だから健康でいなきゃいけない。

坂崎・高見沢:じゃあ休肝日は3日にしよう。

桜井:2日も3日も変わらないよ!僕はお酒が好きですけど、健康のために休肝日を週に2日設けています。

絶妙なツッコミで3人のバランスを取る坂崎幸之助さん
絶妙なツッコミで3人のバランスを取る坂崎幸之助さん

—それぞれ気をつけてらっしゃることがあるわけですね。

坂崎:僕は、塩分・糖分控えめ。塩分は1日7g以下とか一時期調べたりしました。

桜井:すごいですよ。 お蕎麦を頼んで、お湯で薄めて食べるんですから。

坂崎:濃い味が、だんだんきつくなってきています。未だに“優しくないもの”を食べているのは、高見沢です。肉・辛いもの、何でも食べます。

高見沢:一応体のことは気をつけていますから、トレーニングもしていますし…。

桜井:高見沢は、野菜の摂取量はすごいですよ。 楽屋にサラダを運んでくるんですけど、誰かヤギでも飼っているのかというくらい、テーブルいっぱい。そして実際に口に入るのは半分くらい!画面や本を見ながら食べるから、半分くらい落としているの。

坂崎:桜井と2人で「絶対、自分の口の位置が分かってないな」って言いながら見ています。学生時代からずっとこんな感じの3人ですよ(笑)。

—最近気になることは?

高見沢:実を言うと…ギターは570本ありますから、もう欲しいギターはないと思っていたんですが。先日また買っちゃったんですよ。アコースティックギターの、ヴィンテージなんですが、店の人に「これは掘り出し物でっせ~」と言われてね。弾いたら音がけっこう好みで、ついゲットしちゃいましたよ。

坂崎:問題はそのギターをどこに置くのか。570本のギターって、街の楽器屋さんよりも数が多いよ、きっと。

高見沢: “断捨離”とか言われる時代とは逆行してますね。いずれは何とかしないとけないとは思ってはいますが……。

坂崎:終活!

桜井:高見沢に終活ができるかな?いいんじゃない、増え続けるギターオタク王子って感じでお前らしいよ。

高見沢:ミュージシャンで、ギタリストですから、いくつになってもギターへの興味はつきませんね。最近、今さらながらアコースティックギターに興味が湧いて、あらためて、そっち方面の音楽を色々聴いてます。

—今後やりたいことは?

3人:コンサート本数が、現在2813本。本来ならあと2年でちょうど70歳・50周年・3000本とキレイな数字が並ぶはずだったんです。コロナ禍で先送りになりましたけど、何とか3000本を目指したいですね。

【インタビュー後記】

終始、3人が合いの手を入れながらテンポよく話が進んでいきます。学生時代から変わっていないという関係性は本当に楽しそうで、根底には音楽が好きだという揺るぎない気持ち、メンバーをリスペクトする思いがあるからこそと感じました。話の内容はとても現実的なのに、存在自体はファンタジー、ベテランでありながらピュアな印象を与えられるのは、何事においても謙虚さ故でしょうか。

■「THE ALFEE(ジ・アルフィー)」

メンバーは、桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦。1973年、明治学院大学在籍中にグループを結成。1974年『夏しぐれ』でデビュー。1983年、デビュー9年目で『メリーアン』が大ヒット。以来、チャート誌に55作品連続ベスト10入りを果たす。「大阪国際女子マラソン」のテーマソングを32年間担当したことは、「同一国際スポーツ大会のテレビ放送における同一アーティストによる最多テーマソング数」としてギネス世界記録に認定。ライブ通算本数は2022年7月に2813本を達成。日本のグループで、コンサート実施通算本数の最多記録を更新中。シングル『星空のCeremony/Circle of Seasons』は10/5リリース。ライブ「THE ALFEE 2022 Autumn Tour Genesis of New World 秋の天地創造」は10/6~12/11、全21公演開催。

フリーアナウンサー/リポーター

東京都出身。渋谷でエンタメに囲まれて育つ。大学卒業後、舞台芸術学院でミュージカルを学び、ジャズバレエ団、声優事務所の研究生などを経て情報番組のリポーターを始める。事件から芸能まで、走り続けて四半世紀以上。国内だけでなく、NYのブロードウェイや北朝鮮の芸能学校まで幅広く取材。TBS「モーニングEye」、テレビ朝日「スーパーモーニング」「ワイド!スクランブル」で専属リポーターを務めた後、現在はABC「newsおかえり」、中京テレビ「キャッチ!」などの番組で芸能情報を伝えている。

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