【石田ひかりさんのお弁当】娘2人に16年間つくり続けられた、その秘訣とは?
献立に迷う朝も、マンネリの日も乗り越えて…… だから毎日続いてきた! 私のリアル弁当作り
毎日続けたあの人だって、初心者時代があった! 当時の悩みやモチベーションキープの秘訣、お弁当作りから得られたことを、たくさん教えていただきました。
お話を伺ったのは
●石田ひかりさん HIKARI ISHIDA 女優 1991年『ふたり』で映画デビュー。1992年連続テレビ小説『ひらり』で主演を務める。現在までドラマ、映画など多岐にわたり活躍。飾らない素顔と日常が垣間見られるインスタグラムも好評。2人の娘の母。
大切なのは、お弁当の中身じゃなくてかけた時間。16年間作り続けたことで娘たちの力になれたという自信に
▶最初に決めた“意地”がずっと、支えになって 次女の高校卒業をもってお弁当生活を卒業。それからは潔く、おにぎりひとつ作っていないと、清々(すがすが)しい笑顔で話す石田さん。 「だって、幼稚園から年子の娘2人分、16年間やり切りましたもの! まったく悔いなしです」 俳優という仕事柄、どうしても時間が不規則になることも。ただ、お弁当だけは、毎日作り続けよう!と最初に心に誓ったそう。 「それは、自分に対する意地。長女が小学校に入ったとき、『これから高校まで、長いお弁当生活が始まる』と覚悟を決めたし、同時に『これが終わったら、私の腕前はどのくらい上がっているんだろう?』と、数年後の自分の成長が楽しみでもあったんですね。だから、当初からデジカメやガラケーで写真を撮って記録もしてきました」 7時のバスに乗せるため、冬は真っ暗なうちに起きて作ったお弁当。仕事で朝4時に出るときは、3時に起きて作り始めたことも。 「もう、本当に意地でしかないですよね。このお弁当、9時間後に食べて、果たしておいしいのかな?と疑問を抱きつつ(笑)」
▶いつか、必ず終わりがきてしまうから 長く続いたお弁当生活をひと言で表すとするならば「無我夢中」。仕事とのやりくりに時に苦労しながら作り続けたその最中は、楽しむ余裕はありませんでした。 「ただ、今は心から、いい時間だったなと思います。娘の幼稚園時代にふと『この子たちの体を、私のごはんで作るんだ』と気づいたんですよ。それは本当にやりがいがありました。もちろん完璧ではなかったし、手を抜く日もあったけれど、大切なのは内容じゃなくて、かけた時間なんですよね」 それが二度と戻らない、かけがえのない時間だと実感したのは、お弁当作りの終わりが見えた頃。 「いつかは、とわかっていたはずなのに、初めて焦りました。もうこの子たちにお弁当を作れないんだ、と。私の思いや愛情を詰め込める場が、とうとう終わってしまう。それが間近だと知ったとき、やっぱり悔いを残したくなくて、残り1年ほどなのに、曲げわっぱのいいお弁当箱を買ったりして」 それぞれのお嬢さんのために作った、学生生活最後のお弁当。石田さんは手紙を添えました。 「伝えたのは、『とにかくあなたの体のほとんどは、私が作ったごはんでできているからね』ということ。これからも、何かつらいことや大変なことがあったときは、あなたの心と体の中に私がいるよ、ママは本当にあなたの中にいるからね、って」