フットサル日本代表の敗因をSAL編集部が徹底分析!これからの課題、再起に向けての展望は?【アジアカップ2024|フットサル】
4月17日から開幕した、AFCフットサルアジアカップ2024。木暮賢一郎監督率いる日本代表は、前回大会での優勝に次ぐアジア連覇と、今年9月に開催されるFIFAフットサルワールドカップの出場権を懸けた戦いに臨んだ。 【映像】どこよりも早い敗因徹底分析 しかし、18日に行われたグループステージの初戦でキルギス戦に2-3で敗れ、第2節での韓国戦に5-0で勝利しなんとか勢いを盛り返すも、第3節のタジキスタン戦で1点リードから追いつかれ勝ち切ることができず。ノックアウトステージ進出には「勝利」が絶対条件だった試合を落とし、史上初のグループステージ敗退という衝撃的な結果で幕を閉じた。 2021年11月に木暮監督が就任以降「世界で戦えるチーム」を目指して選手育成と強化を図り、順調な道のりを歩んでいたはずの日本代表は、なぜ17回目にして初めてグループステージ敗退の事態に陥ったのか。そして、今後の日本フットサルが抱える課題とは? 現地で戦況を見守ったSAL編集長の北健一郎と副編集長の本田好伸が、客観的事実と専門メディアとしての目線を織り交ぜながら、見解を語った。
苦肉の“3セット回し”は、吉と出たのか凶と出たのか?
まず、今回の敗因を考える上で避けて通れないのは、攻守の要であるアルトゥールと、エースストライカーの清水和也の開幕直前での離脱だ。これまで木暮ジャパンは、清水、吉川智貴、堤優太、アルトゥールの4人でファーストセットを組み準備を整えてきたものの、そのうちの2人を欠くという不測の事態に。急遽、セットの内容を組み替えて初戦のキルギス戦に臨んだ。 北:フットサルはただでさえも、選手同士が呼吸を合わせることが大事なので、同じセットの選手が2人も代わってしまう影響が初戦の時点でかなり響いていたなと思います。そこで木暮監督は韓国戦とタジキスタン戦で、同じクラブでプレーしてきた時間が長い選手を同じセットで組ませて、「3セットを均等に回す」という決断を取りました。この“3セット回し”は、これまで本番と言われるような大事な大会では取り入れていませんでした。 本田:選手としては、プレー時間が均等になることで「出番が来るタイミング」を見やすくなるというのもあります。ただ一方で、プレータイムをある程度長くとったほうが、強度も上がって自分のパフォーマンスを発揮しやすいという選手も多いんですよ。なので、いわゆる強豪と言われるチームは基本的には2セットで回しているし、これまでの木暮さんのスタイルではまずなかったな、という戦い方でしたね。