【解説】物価高はいつまで… 「目的地を近場に」・「移動手段はより安く」ゴールデンウイークにも影響
明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミストによると、物価高でホテル代の上昇は現在も続いています。 上がる要因としては、ほかにもあります。繁忙期に価格を上げる料金システムを取り入れているところも増えてきたことがあります。また、海外旅行の需要はまだそれほど上がっておらず、国内旅行が中心になっています。そこにインバウンドの著しい増加があって、ますます需要が増えているということです。 特に、都市部のホテルを中心にかなり強気の価格設定になっていて、賢く節約しないとお金がかかりすぎて旅行を満喫できない可能性があるという分析です。
■ゴールデンウイークにも“物価高”の影響 「目的地を近場に」・「移動手段はより安く」
ゴールデンウイークに物価高が影響を与えています。調査では、「旅行の際に節約すること」についても聞いています。 ●目的地を近場に変更(24.7%) ●宿泊先のグレードを下げる(18.1%) ●お土産の予算を減らす(14.6%) ●移動手段をより安いものに変更(13.5%) このように、少しずつ様々なことを我慢して出掛けるという人も多いようです。 「家計」に関する調査ということで、家庭の支出でひと月あたり、何がどのぐらい上がったのかも聞いています。
食料品は「1万9661円増」、水道・光熱費も「1万5702円増」との回答になっています。単純にこれらを足しただけで、去年と比べて1か月に3万5000円以上も家計の負担が増えていることになります。 では皆さんは、どのように対策しているでしょうか。水道・光熱費については、「電気をこまめに消す」(52.5%)、「エアコンの設定温度を調整する」(39.5%)といった回答がありました。食料品については、「食卓の品数を減らす」(15.1%)という回答もありました。
■“お小遣い”は2年連続「増加」 物価高はいつまで…
あの手この手で家計をやりくりする中、数少ない“明るい話”もあります。 夫のお小遣いの金額は、去年より2117円上がり、3万5552円になったといいます。2年連続の増加となりました。ただ、コロナ禍前の2019年は3万7774円だったというので、回復途上にはあれど、まだ戻りきってはいないということです。 お小遣いが増えた理由については、最近の賃上げなどにより収入が上がっていることによるほか、日々のランチや飲み会など外食にかかる費用も増えている中で、分析資料では“妻の優しさがあらわれたのかも…”と書かれていました。
この物価高は、いつまで続くのでしょうか。明治安田総合研究所の小玉フェローチーフエコノミストによると、「もともと、食料品の値上げはエネルギー価格や穀物価格の上昇が背景にあったが、いずれも落ち着き始めている」ということです。そのため、「これから円安や原油価格の上昇などが再びない限りは、秋口から年末ごろまでに値上げのペースは落ち着いてくるのではないか」と分析しています。 (2023年4月24日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)