優先交渉権は誰の手に?福岡市の広大な“一等地”の再開発に3企業グループが応募
福岡市東区の九州大学箱崎キャンパスの跡地です。この広大な土地の再開発事業をどのグループが進めるのか、今、注目されています。公募の受け付けが30日で締め切られ、少なくとも3つの企業グループが手を挙げています。 【写真で見る】工事中の箱崎キャンパス跡地に対して地域住民の思い
交通至便の広大な土地、最低価格は約372億円
敷地面積約50万平方メートル。ペイペイドーム6個分の相当する九州大学箱崎キャンパスの跡地。福岡市地下鉄箱崎線、JR鹿児島線、西鉄貝塚線の3つの路線が接続する一等地で、JR千早駅と箱崎駅の間には新駅が設置される予定です。土地を所有する九州大学とUR=都市再生機構は、このうち民間の事業者に譲渡する約28万5千平方メートルについて30日、入札価格と計画案の応募を締め切りました。 土地の最低譲渡価格は371億7800万円で、少なくとも3つの企業グループが応募したことがわかりました。
わかれた“コンセプト”AI活用?中核施設にアリーナ?
西部ガス・道永幸典社長(30日)「弊社・西鉄・JR・住商でプラスアルファがあると思います。全国でも注目の事業なので最終的には地域一体となって再開発を進めていきたい」 関係者によりますと住友商事を筆頭にJR九州・西鉄・西部ガスなどでつくる企業グループは、人工知能=AIを活用したオフィスやマンションなどのまちづくりを提案に盛り込んだということです。一方、九州電力は当初、一緒に応募するために協議を進めていましたが、核となる集客施設をめぐって意見が対立し、別グループで提案しました。 九州電力・九電工・そして東京建物などの企業グループは、世界で活躍するトップアーティストが呼べる2万人規模のアリーナを核としたまちづくりを提案しています。このほかディスカウントストアを運営するトライアルグループも名乗りを上げています。 RKB原口佳歩「キャンパスの移転完了から5年以上が経ち、新たな案も示される中で、地域の皆さんはどんな思いをもっているのでしょうか」 地域住民: 「デパートなどの商業施設ができればいいけど…」 「みなさんが集まれるような施設とかね」 「子供達も遊べるようなところがあれば私たちは助かるかなと思います」 「ずっと工事、工事となっているので、早く人が行き交うようになればいいかな」
今年4月にいずれかのグループが“優先交渉権”
九州大学と福岡市は共に、箱崎キャンパス跡地の再開発構想に次世代モデル都市「福岡スマートイースト」を掲げています。すでに実証実験を行っている自動運転など最先端技術の導入や、脱炭素社会に向け、水素供給パイプラインを整備する計画です。今回の企画評価も750点満点中、スマートサービスの項目が最も高い270点となっています。 福岡市・高島宗一郎市長「エネルギー、セキュリティー、モビリティ、さまざまな部分で全体最適を図っていきながら、誰も取り残されない持続可能なまちをつくっていくかというところに非常に大きく期待をしています」 今後、審査を経て今年4月に優先交渉権者が決定します。