「上海ハニー」から17年、ORANGE RANGEがテレビからライブにシフトした理由
自主レーベルを立ち上げてからこの10年間で行ったライブは500本以上にのぼり、14年には韓国、台湾、香港でのアジアツアーも成功させ、16年から17年にかけて47都道府県すべてに出向いて自分たちの曲を地道に届け続けた。自分たちの足で、喜んでくれる人たちのための音楽を届ける。自主レーベルを立ち上げてから着実に、ORANGE RANGEは「自分たちのやりたいこと」に邁進してきた。
「喜んでもらえるものこそが正義」上海ハニーは黒歴史じゃなく鉄板曲に
今、ORANGE RANGEの5人は、喜んでくれる人たちのために音楽を届けている。だが、彼らの音楽を以前のようにテレビや雑誌、CMなどで楽しみたい人も多いだろう。今後もう、テレビの歌番組などに出ることはないのだろうか。それぞれの胸に去来する思いはあるようだ。 「メディア露出は、会社同士がずっと築いてきた関係性があるからこそ成り立っているところもありますよね。僕らは、自主レーベルを始めると同時に大きな組織を抜けたので、メジャーの仕組みでこそ成り立っていたものを自分たちで継続するのは難しい。以前はそういったことを僕らのためにやってくれていた人たちがいましたが、昔も今も僕らはあくまで音楽を鳴らす立場でしかない。そこは変わっていないんです」(YOH)
「テレビの歌番組だと1曲しかできないので観ている人にはその印象だけがついてしまうんです。でもライブではいろんな曲を演奏しているので、他の曲とのバランスからでとらえたら『ああなるほど、ORANGE RANGEってこんなバンドなんだ』みたいに思ってもらえる。だから歌番組よりもライブで今の僕たちを知ってほしいんです」(RYO) 「あえてテレビ番組に出ないということもなくて。呼んでいただけたら出ることもあって。でも一番はやっぱり自分たちでライブをして、待ってくれている人たちに届けること。これだけは、この先も一番大切にしてきたいんです」(YAMATO) ORANGE RANGEはもう『上海ハニー』や『花』など、過去のヒット曲は歌わないのか。5人に聞くと、「めっちゃ歌います(笑)、それが一番お客さんが盛り上がるから」とかえってきた。 彼らにとって「喜んでもらえるものこそ正義」という気持ちは変わらない。ORANGE RANGEは昔も今も、目の前で喜んでくれる人たちと一緒に音楽をやっていく。それが最優先なだけだ。
ORANGE RANGE(オレンジレンジ)
沖縄出身・在住の5人組ロックバンド。2001年に結成し、2003年にメジャーデビュー。2021年に迎えるバンド結成20周年イヤーを目前に控え、現在「原点回帰」「初期衝動」をテーマに、バンドスタイルでのミニマルな編成とサウンドにフォーカスした全国50公演に渡るツアーを開催中。同時にCD2枚組全9曲を収録したライブ会場・数量限定の最新アルバム『NAKED×REFINISHED -3 mics and back sounds-』をリリース。