香港俳優トニー・レオン ベネチア映画祭生涯功労賞 新作で神経科学者「役作り8カ月」[2023/09/06 16:05]

 世界3大映画祭の一つ「ベネチア映画祭」で、香港を代表する俳優トニー・レオン氏(61)が生涯功労賞を受賞しました。中国系の俳優で初の受賞となります。

 イタリアで開かれているベネチア映画祭で2日、香港の俳優トニー・レオン氏が金獅子生涯功労賞を受賞しました。

 トニー・レオン氏はウォン・カーウァイ監督の作品や「インファナル・アフェア」シリーズで知られていて、1980年代から2000年代にかけてベネチア映画祭の最高賞金獅子賞の3作品「悲情城市」「シクロ」「ラスト、コーション」に出演していました。

 トニー・レオン氏は授賞式に先立って行われた記者会見で「ずっと欲しかった自分だけの金獅子賞をついに手に入れられる。誰かとシェアしなくても大丈夫なんだ」とジョークを交えながら語っていましたが、授賞式では感極まって涙をこぼし、自身を俳優として育てた香港映画界に感謝を述べました。

 また、トニー・レオン氏は「感情を抑え込んで育ったが演技を通して自己表現の方法を見つけた」と語りました。

 役作りについては、じっくり時間をかけて準備し、無意識に登場人物に入り込むようにしていると話しました。

 ハンガリーの鬼才、エニェディ・イルディコー監督の新作では神経科学者に扮するためにたくさんの本を読み、大学を訪れて研究者と会話し、8カ月をかけて役作りをする予定だと述べています。

 トニー・レオン氏は最近、K−POPグループの「NewJeans」のミュージックビデオに出演したことでも話題になっています。

 今年の金獅子生涯功労賞はトニー・レオン氏のほか、イタリアのリリアーナ・カヴァーニ監督にも授与されました。

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