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密着!【警察・機動捜査隊】真っ先に現場へ…「24時間体制で街を守る」

2023年12月28日 14:00
密着!【警察・機動捜査隊】真っ先に現場へ…「24時間体制で街を守る」
密着!県警・機動捜査隊

〝どんな事件があっても、現場に真っ先に駆け付ける〟

それが警察の機動捜査隊、通称「機捜隊」。その役割は容疑者の捜索から現場の聞き取りまで、初動捜査と呼ばれるこの動きが〝事件解決の要〟とされている。

宮城県利府町にある警察機動センター。午前8時半、前日に対応した事案について引継ぎが行われていた。

「夫婦げんかで妻が包丁を持ち出したという現場でしたが、臨場して確認したところ口論はありましたが、包丁を持ち出したという事実はありませんでした」

【多様化する犯罪…機捜隊がどんな現場にも急行】

多様化する犯罪に対応するように、様々なセクションに分けられる警察組織。その中で「機捜隊」は殺人事件を扱う捜査一課などの刑事部門だけでなく、幅広い部署を横断するポジション。日課となる朝会では、隊長からその日のテーマが告げられる。

<宮城県警 機動捜査隊隊長>
「12月は師走と呼ばれるように目まぐるしい月とされています。飲酒の機会も増え、喧嘩や飲酒が絡む重大な事故、性犯罪が発生しやすい」

事件や事故が増える年末。自然と緊張感も高まる。

【覆面パトカーで市街地へ…真っ先に現場へ駆けつける】

「機捜隊」が業務に使うのは覆面パトカー。そして、私服で行動することで街に溶けこみながら捜査を進める。宮城県警機捜隊・捜査第二係の菅野竜一警部補。幅広い事案を扱う「機捜隊」は刑事経験を積んでから着任することが多く、タッグを組む佐藤巡査長も刑事部門から配属された1人。準備が終わるとそれぞれのチームがパトロールに向かう。「機捜隊」において何より重要なのは、事件現場に最初に臨場すること。どこでもすぐに駆け付けられるように、常に無線を聞きながら車を走らせる。

【現場から逃走した男を発見 職務質問の末に…】

取材に入ったこの日、耳に入ってきたのは「70代の男が若い男性を殴った」との110番通報。現場となったガソリンスタンドにつくと、関係者からそれぞれ事情を聞き、トラブルの全体像を把握。今回は幸い、関係者に大きなケガはなかった。

<菅野竜一 警部補>
「ガソリンスタンドの給油の入る列を巡ってのトラブル。最近は結構多いんです。佐藤刑事は被害者から話を聞きつつ、私の方は被疑者について所持品の検査とか事情を聞く」

トラブル対応を終えると、息つく間もなく車を走らせる2人。すると、店内で棒を振り回し、棚を壊した男が逃げたという通報が入ってきた。

<無線>
「緑色の迷彩服を上下着用。シルバーの自転車に乗車」

<佐藤快 巡査長>
「帽子を被ってるんですかね」

<菅野竜一 警部補>
「フードかな」

通報からおよそ40分経った頃…

<無線>
「至急至急。現在、迷彩柄のフード付きパーカー。これ着て路上ふらついて歩いている」

別の警察官が逃走したとみられる男を発見。菅野警部補も車から降り、走って現場に向かう。

<菅野竜一 警部補>
「お名前だけでも教えてもらって良いですか?具合悪い?」

路上に座り込んでいたのは迷彩服姿の30代の男。菅野警部補が職務質問をするが、何も答えず、その場から立ち去ろうとする。

「止まろう!お兄さん赤信号だよ」
「触んなよ!」
「落ち着いて」

目撃情報などから警察はこの男を緊急逮捕。買い物をした後、店の陳列棚を壊したとされる器物損壊容疑だった。

【24時間の勤務体制〝誰もが安心して生活できる毎日を〟】

ページェントがきらめく杜の都・仙台の12月。そんな夜も機捜隊は車を走らせてパトロールを続ける。「機捜隊」の勤務は朝8時から翌朝まで。3交代・24時間体制のローテーションをとっている。空いた時間に休憩は取れますが、事件が起きれば食事の時間がない時も。この日は20分ほど席につくことができた。

<佐藤快 巡査長>
「24時間耐えられる食事をとらないと、腹減ったとか、力がでないとかでは話にならないので」
「いただきます」

食事中であっても、絶えず流れてくる無線に耳を澄ませる。

<菅野竜一 警部補>
「いつ呼ばれるのかなと思うと、ゆっくり食べられないのかもしれないですね」

ふたたびパトロールに出る2人。深夜、日付も変わったころ〝女性が刃物を持って暴れている〟と通報が入ってきた。近くにいた2人は真っ先に現場に到着。万が一に備え、刃物から身を守るベストを着用して、通報があった家に向かう。

聞き込みの結果、関係者にケガはなく、刃物を振り回した事実も確認できなかった。後から到着したこのエリアを担当する警察官に引き継ぎ、ふたたびパトロールに向かう。

<菅野竜一 警部補>
「犯人を逮捕したからと言って事件が無くなるわけではないんですけれども、1秒でも早く被害者の方の不安を取り除きたいなと思っておりますので。覆面パトカーで秘匿性を持ちつつ、現場に早期に第一臨場して被疑者を検挙する。という所では、私たちに課せられてる任務は大きいのかなと思います」

〝誰もが安心して生活できる毎日を〟

「機捜隊」はきょうもパトロールを続ける。

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