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不思議な地図が示す未来 あなたの故郷は?

2021年8月21日 14:18
不思議な地図が示す未来 あなたの故郷は?

一部の地域が不自然に大きい日本地図。実は、日本の未来に関わる“ある目標値”について、47都道府県をそれぞれ評価し、表しているものだ。あなたの故郷はどうだろうか?

◇ ◇ ◇

世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)があるキャンペーンで示したのは、色分けされた日本地図。よく見ると、静岡県や千葉県が不自然に大きくなっている。

サイトで静岡県をクリックしてみると…「全然足りんら」とご当地の方言で叱責する文字が。

一方で、山形県は「すばらしいにゃ」と高評価。他にも、北海道は「あともうひといき」福岡県は「がんばりんしゃい」などと評価している。

果たして、この不思議な日本地図は何を表しているのか。

■地図が示す地元の“未来”

実はこれは、都道府県ごとの“温室効果ガスの排出削減目標”への評価を示したもの。評価が低い県ほどサイズが大きく強調されている。

政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする目標を掲げている。しかし、それは地域の努力なしに達成できない。

WWFジャパンが立ち上げた「脱炭素列島」のキャンペーンでは、地域ごとに掲げている、2050年・2030年の目標をもとに、47都道府県を6段階に分けて評価した。

例えば静岡県は、2050年に温室効果ガスの実質排出ゼロを宣言はしているものの、その道筋は十分に示されていない。6段階中、一番下の評価だ。

このままでは気温が上がり、特産品のお茶が取れなくなるかもしれないとしている。

評価が6段階中2番目であともう一息とする沖縄県は、方言で「なーちょい」と評価。その上で、このまま気温が2度上昇すれば、サンゴの99%が消失すると警鐘を鳴らす。

■まずは自分の地元から

「自分の地元の目標が不十分であったのを見て、悔しいという想いがあった」

そう話すのは、WWFジャパンでこのキャンペーンを担当する早崎あゆ美さん。

日本が“脱炭素”に向けて取り組む上では地域のアクションが重要となるが、意欲的でない自治体もある。しかし、自分の将来の暮らしに関わるはずの地元の状況についても、知らない人が多い。

そこで、キャンペーンでは、可愛らしいイラストや、どこか懐かしい学校の評価印などを使って親しみやすいデザインに。また、このまま対策をしなければどうなってしまうか、地域のシンボルや特産品に落とし込んで伝えた。

“自分ごと”として意識しにくい脱炭素というテーマについて早崎さんは、このキャンペーンをきっかけに「まずは地元の取り組みから知ってほしい」と話す。

■脱炭素の達成に向けて…

ただし、自分の地元が高評価でも、油断はできない。目標は高く掲げても、「絵に描いた餅」では仕方がない。

キャンペーンでは地元の取り組みに注目した上で時に声を上げ、アクションを起こすことが身近な暮らしや風景を守ることにつながると強調している。

2050年に脱炭素を達成できるのか。それぞれの地域でもここからが踏ん張り時となる。

(画像提供:WWFジャパン)