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小雪「“指点字”世界中に広がってほしい」 映画を通じて切に願う

2022年11月5日 21:35
小雪「“指点字”世界中に広がってほしい」 映画を通じて切に願う
イベントに登場した小雪さん
俳優の小雪さん(45)が5日、主演映画『桜色の風が咲く』(全国公開中)の公開記念舞台挨拶に、共演者の田中偉登(たけと)さん(22)や、吉沢悠さん(44)らと共に登場。小雪さんが、映画に登場した“指点字”への思いを明かしました。

映画は9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも、世界で初めて盲ろう者の大学教授となった、東京大学先端科学技術研究センター教授の福島智さんの生い立ちを描いた実話。小雪さんは、障がいを抱えた息子・智を支える母親の令子を演じます。

イベントで、“撮影時の苦労”について聞かれた小雪さんは「ご本人(福島智さん)が監修されているものをやるのは非常に難しい行為なんです。私たち健常者は、いろんな感覚に頼って生きているので、やはりそこを引いていく作業というのは、厳密に現場でも必要でした。こう見えるとか、こういう風に見えてしまうなど、試行錯誤しながらやらせていただきました」と明かしました。

続けて小雪さんは「赤ちゃんみたいな子たちとの撮影も難しい所がありましたし、だからこそ、生々しくリアルに描けたのではないかと、撮影現場は“物作りの極み”みたいな、ディスカッションしながらという撮影が多くて、困難ではありましたけど、皆さん(出演者とスタッフ)の志が、“良い作品を作っていこう。真摯(しんし)に向き合っていこう”という根底がありチームワークが良かったです」と撮影を振り返りました。

映画では、視覚と聴覚を失った息子と言葉を交わしたい一心で、母・令子が智の指に自分の指を重ね、点字を打つことで言葉を伝えるコミュニケーション方法“指点字”を考案する場面が描かれています。そんな“指点字”について小雪さんは「“指点字”の世界が、もっと広がってほしいです。私たち(健常者)が“指点字”をできるようになったら、盲ろう者の方も本当に楽になりますし、諦めていた世界が広がります。これは1つの試みの1歩なので、この作品を通して波紋のように、世界中に広がってほしいと思います」と、切に願いました。