俳優の橋本さとしが主演を務めるドラマ『なにわの晩さん! 美味しい美味しい走り飯』(全4話)が、ABCテレビで4月1日(毎週土曜24:00~全4回、見逃し配信あり)にスタートする。全編大阪で撮影された今作は、橋本演じるタクシードライバーの晩明(ばんあきら)が、ワケありな乗客とコミカルな会話を繰り広げながら、くいだおれの街・大阪のグルメを巡る人情劇。肉吸いや串カツなどの定番グルメから、おでんや天ぷらなどの知られざる逸品まで、すべて実在の店で撮影され、観光ガイドとしても楽しめるドラマが完成している。

今回は橋本に出身地である大阪で撮影した喜びや、56歳にしてドラマでは人生2度目だという“主演”への感慨、第1話に出演する今井翼の印象について話を聞いた。

  • 橋本さとし 撮影:泉山美代子

    橋本さとし 撮影:泉山美代子

■夢のグルメドラマに「こんなに幸せな仕事が」と感動

――今作の撮影で楽しかったところを教えてください。

主人公の晩さんは設定年齢が僕と近く、僕の中にもある陽と陰の両方を表現できるキャラクターで、さらにセリフは関西弁。等身大の自分で演じられた役でした。僕はお酒が強いほうではなく、飲むよりも食べることが好きなので、グルメドラマをやってみたいという夢が叶ってうれしかったです。撮影自体は朝から串カツを食べたり、シュウマイを20個以上食べたりと大変だったのですが、美味しいものをたくさん食べられて、こんなに幸せな仕事があるんだ、役者をやっていて良かったと感じました。

  • 『なにわの晩さん! 美味しい美味しい走り飯』(C)ABCテレビ

――全編大阪撮影という喜びも大きかったですか。

大きかったですね。生まれ育った場所だからリラックスして撮影できましたし、くいだおれの街の美味しいものを紹介できることが、大阪出身者としてうれしかったです。改めて“大阪のうまいもん”の底の深さを見せつけられたというか、こんなところにこんな美味しいものがあるんだと発見がたくさんありました。よく名前を聞く有名店もなかなか行ける機会がなかったりするので、今回撮影で食べさせていただけて役得でしたね! 不思議なことに撮影でいくら食べても、演じているキャラクターとして食べているからか満腹にならないんです。驚くほど食べた日も、夜にホテルの近くのオムライスを食べに行ったりして。胃袋も脳もおかしくなっちゃったのかなと心配になりました(笑)。

■地元・枚方の変化に喜びと少しの寂しさ

――役者さんならではの感覚ですね! ちなみに、橋本さんは30代で上京されたとのことですが、今回大阪のいろいろな場所で撮影されて、変わったなと感じた点はありますか。

やっぱり大阪駅周辺は変わりましたよね。あと、当時扇町の稽古場に通っていたのですが、プールがどーんとあるだけだった扇町公園が、今は散歩向きのキレイなスポットになっていて驚きました。そしてなんと言っても、僕の出身地の枚方です! 昔は近鉄百貨店があった駅前にTSUTAYAのすごくかっこいいオシャレなビルが建っていて!

――「枚方T-SITE」ですね。

それです!(笑)うれしいのですが、故郷が様変わりするのはどこか寂しいような気持ちもあって。そんな中変わらず頑張っているお店もあって、久しぶりに行くとすぐに青春時代にタイムスリップできます。変わったところを新鮮に楽しみつつ、変わらない文化や建物、味も愛おしい。大阪の地を踏むと、今も「帰ってきた」という気持ちになれます。自分の大阪への思い入れの強さを今作で改めて感じました。