栗山千明(撮影:野原誠治)
 映画『バトル・ロワイアル』やハリウッドデビューを果たした『キル・ビル Vol.1』などで強烈なインパクトを残す一方で、美容やファッション分野においても、その美しさに磨きを掛けてきた栗山千明。2010年には歌手デビューも果たした彼女が、2月11日(土)に全国ロードショーとなる映画『ドラゴンエイジ-ブラッドメイジの聖戦-』で、主人公の女騎士カサンドラの声優を担当。これまで数多くの“強い女”を演じてきた彼女に、周囲から抱かれるイメージと自身の素顔との違いや、女優・声優・歌手として今後の活動について話を聞いた。

――本作は、全世界で600万本以上を売り上げたゲームの映画化となりますが、チャントリーという教会が世界を支配して、メイジと呼ばれる魔導士たちのグループが存在する世界観について、どのような印象を持たれましたか?

栗山千明(以降、栗山):今は平和なので、体験できない世界観だからこそ、すごく深いメッセージが込められているんじゃないかなと。今は、命懸けで戦うこともなかなか無いじゃないですか。でも、そういう時代は確かにあった訳で。戦士としての誇りやカッコ良さは、今の私達が見ても感じる所があって。そういうのを思い知らせてくれました。

――逆に、現代社会に足りないものを感じましたか?

栗山:そうですね。でも私は、今の平和な世界が大好きなんです(笑)。戦うことって愚かだなと思うからこそ、逆に『ドラゴンエイジ』の争いがある時代とか場所に生まれなくて良かったなと思う訳です。だって、人の首や腕を切ったり、でも、それぐらい切羽詰まっても生き抜かないといけない状況や時代も確かにあっただろうし。

――基本的には、平和主義者なんですね。

栗山:はい(笑)。

――『ピンポン』や『ベクシル ―2077日本鎖国―』を手掛けたCGクリエイターの曽利さんが監督を務めていますが、迫力あるドラゴンなど、映像についての印象はいかがですか?

栗山:CGって、やり過ぎると逆に入り込めないこともあると思うんですけど、すごく美しくて、良い具合に感情移入できる範囲の美しいCGを巧みに使われている気がして。正直、もっとゴテゴテした感じになってしまうのかな?と思ったんですけど、すごく見やすかったと言うか、もう素直に「綺麗だな」と思ったり、その迫力にビックリしました。だからといって、全く別物を観ているというよりは、私が声優をやらせてもらったカサンドラの心情だったり、一人一人のキャラクターのストーリーがちゃんと伝わって、感情移入できるような映像にも収まっていると思いました。

――特に、印象に残っているシーンはありますか?

栗山:カサンドラのアクションはカッコ良過ぎですね! 床と壁を走って飛び込んだり、スライディングしながら足元を切ったり、どのシーンを観ても抜かり無しにカッコイイというか、似たようなカットが無いぐらい、全部違うアクションをしているんです。それが飽きさせない要素というか、「うわぁ、こっちの切り方もカッコイイ!」「返り血を浴びてもカッコイイ!」みたいな(笑)。私がアフレコした時って、まだちゃんと絵が出来ていなかったので、完成したものを観て「こうなったのか!」という新鮮な驚きがありましたね。

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