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1通の国際郵便から始まった詐欺事件です。アメリカ人弁護士になりすまし約780万円をだまし取ったとして53歳の男が再逮捕されました。

熊本中央警察署によりますと、はじまりは2023年3月、静岡県の医師に届いた1通の手紙でした。

差出人はアメリカ人の遺産相続人を名乗る人物。国際郵便で届いた手紙の中には「アメリカに住む日本人女性が遺産を残して亡くなったこと」「その遺産を相続してほしい」という旨の内容が書かれていたということです。その額、約20億円。

被害者の75歳の医師は、はじめは相手にしていませんでしたが、同じ内容の2通目が届き、手紙に書かれているアメリカ人弁護士にメールを送ったということです。

何度か電話やメールで連絡を取り合う中で、2023年6月、遺産相続に必要な税金名目で約780万円を振り込みました。しかし、遺産が振り込まれることはありませんでした。

詐欺の疑いで再逮捕されたのは、神奈川県横浜市の自称、自営業 佐藤健一容疑者(53)です。佐藤容疑者はだまし取った金を引き出す、いわゆる出し子役でした。

警察は捜査に支障が出るとして、佐藤容疑者の認否を明らかにしていません。佐藤容疑者は、アメリカ軍人女性や中国人男性を装い現金をだまし取ったいわゆる「国際ロマンス詐欺」の疑いで今年2回逮捕されていて、今回が3回目の逮捕です。