ナダルとジョコビッチの忘れがたい名勝負5戦

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先日終了した「ATP1000 ローマ」の男子シングルス決勝は、テニス界のスーパースター同士の戦いとなった。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)との57回目の対戦に勝利したラファエル・ナダル(スペイン)は、同大会10個目のトロフィーを獲得。これまでの対戦成績は29勝28敗、ジョコビッチが僅差でリードしている。

英スポーツメディア Sky Sportsが、これまでの二人の対戦の中で特に記憶に残る5試合をピックアップして紹介した。


2009年「ATP1000 マドリード」準決勝 勝者:ナダル 3-6、7-6(5)、7-6(9)


ラ・カハ・マヒカ(魔法の箱)の愛称で知られるマドリードのテニスセンターで行われたこの試合は、男子テニス史上最も素晴らしい3セットマッチの1つとなった。クレーコートでナダルから初勝利を得ようとしたジョコビッチは、マッチポイントを3回も握り試合を優位に進めているかのように見えた。だが4時間2分の試合の末、最後に勝利を決めたのはナダルだった。


2010年「全米オープン」決勝 勝者:ナダル 6-4、5-7、6-4、6-2


二人が初めてグランドスラムの決勝で対決した試合。結果はナダルが勝利し、キャリア・グランドスラムを達成。当時世界3位だったジョコビッチは、準決勝で世界2位のロジャー・フェデラー(スイス)をフルセットの末に下して決勝へと勝ち進んだが、世界王者だったナダルにはあと一歩及ばなかった。ナダルの力強いサーブも勝利の大きな要因となった。


2012年「全豪オープン」決勝 勝者:ジョコビッチ 5-7、6-4、6-2、6-7(5)、7-5


この試合は忘れることができない。ナダルとジョコビッチは、5時間53分というグランドスラム史上最長の決勝戦でお互いへとへとになるまで競い合った。優勝セレモニーでは疲れ切った二人が立ち続けなくても良いように椅子が持って来られたことを覚えている読者も多いだろう。


2013年「全仏オープン」準決勝 勝者:ナダル 6-4、3-6、6-1、6-7(3)、9-7


「全仏オープン」で年々ナダルに迫っていたジョコビッチが、ナダルと同等と言える強さを見せたのが2013年だった。優勝トロフィーが喉から手が出るほど欲しかったジョコビッチは、最終セットで1ブレークリードしていたが、重要な局面でラケットがネットに触れるミスが出て、勢いを削がれてしまった。


2018年「ウィンブルドン」準決勝 勝者:ジョコビッチ 6-4、3-6、7-6(9)、3-6、10-8


この試合の前に行われたケビン・アンダーソン(南アフリカ)対ジョン・イズナー(アメリカ)戦が長引いた影響で、2日間にわたって行われた試合だった。ジョコビッチが押されていた第3セットをなんとか勝ち取ったところで、試合は次の日に持ち越しとなった。翌日、ナダルが2回ブレークを決めて第4セットを取り、試合は最終セットへともつれ込んだ。紆余曲折ありながらも、最後はジョコビッチが2回目のマッチポイントを決め、決勝へと駒を進めた。


二人が最後にグランドスラムで対決したのは昨年の「全仏オープン」決勝。スコアは6-0、6-2、7-5で、ナダルのストレート勝ちだった。この勝利でナダルは13回目の「全仏オープン」優勝を決め、グランドスラム20勝目を手にした。5月30日から始まる今年の「全仏オープン」では、また二人の素晴らしい試合が見られるだろうか。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「ウィンブルドン」でのナダル(左)とジョコビッチ(右)
(Photo by Chaz Niell/Icon Sportswire via Getty Images)