きょうよりあした、少しずつでも前に進む――百田夏菜子、笑顔の裏に秘めた日々の努力
百田夏菜子(ももいろクローバーZ)がニコッと笑うだけで、その場にいる誰もがみんな、魔法にかかったように笑顔になる──本人は無自覚なようだが、彼女にはそんな魅力がある。
小さい頃から大好きだったアニメ「おジャ魔女どれみ」の20周年記念作品となる映画『魔女見習いをさがして』で、川谷レイカ役を演じる百田は、アフレコ現場を“夢のような場所”と表現し、喜びと感動を楽しげに語ってくれた。
その笑顔の裏には多くの葛藤や努力が積み重なっているのだが、そんなことは微塵も感じさせない輝きが彼女からは発せられている。
私が持っているのは「素敵な人たちと出会える魔法」
- 映画『魔女見習いをさがして』は、かつて「おジャ魔女どれみ」に夢中になっていた3人の女性が出会い、それぞれに悩みを抱えながらも前を向いて進んでいく物語です。彼女たちと同年代の百田さんも共感するところがあるのではないでしょうか?
- ありますね。3人がそれぞれに自分の力不足を感じていますが…私もそれはずっとあります。何をするにも力が足りなくて、「もっと、こうできるようになりたい」って、いまも毎日思っています。
- その思いを、どうやって乗り越えて前に進んでいくのでしょうか?
- 「できない」ということをしっかり自分で理解して、原因と解決策を探します。解決策が見つかったら、それに必死に取り組んで、きょうよりあした、あしたよりあさって、少しずつでもできるようになったらいいな、という思いで前に進んでいる感じです。
- 百田さんが声を担当した川谷レイカは、絵画修復士を夢見る20歳のフリーター。大学生の長瀬ソラ(声/森川 葵)、キャリアウーマンの吉月ミレ(声/松井玲奈)と出会い、ふたりに背中を押されて前に進んでいきますが、百田さんも誰かから背中を押してもらって前に進めたと感じたことはありますか?
- 常日頃から、いろんな場面で、本当にたくさんの人たちに背中を押してもらっているなと感じているんですが…。「とくに」って言うと、ももいろクローバーZのリーダーを任されたときでしょうか。
「そんな大役、自分にはできない! 自信がありません」って伝えていたんですが、そのときにマネージャーさんたちから「あなたは何かをやろうとしなくていい。あなたのままでいてくれたらいいから」って言ってもらえたんですね。それで「ちょっとやってみようかな」と思って…気づいたら、いまもリーダーをやっています(笑)。
- 本作の「それぞれの持つ長所こそが“魔法”だから、たとえ魔法が使えなくても、ありのままでいい」というメッセージにも重なるエピソードですね。そういう意味で、百田さんが持っている“魔法”とは何だと思いますか?
- え〜、何だろう!?(笑)私の魔法は…「素晴らしい仲間がいる」ってことでしょうか。
ひとりじゃ何もできないし、乗り越えられないことが本当にたくさんありましたが、メンバーや周りの方々、お仕事で一緒になった方たち…今回も森川さんと松井さんにたくさん助けていただいたように、私は出会う人にとても恵まれているなと感じています。
それがどういう魔法なのかはわかりませんが(笑)、でも、素敵な人たちと出会える魔法…なのかな? ふふふ。 - 百田さんが周りを笑顔にするような魔法を持っているからこそ、周りのみなさんが助けてくれるんじゃないかなと、勝手ながら感じました。
- うわ〜、とっても嬉しいです! 私がそんなに素敵な魔法を持っているのかわかりませんが(笑)、そうやって言っていただけると…「笑顔でいる」って素敵なことだなって実感します。
私たちのお仕事は誰かを笑顔にする役割もあるので…今は何があるかわからない世の中ですから、変化に逆らわず、その時々でできることを探しながら進んでいって、たくさんの人たちに笑顔を届けたいなあと改めて思いますね。
アイドルの存在を知ったのは、おんぷちゃんがきっかけ
- 小さい頃から「おジャ魔女どれみ」をご覧になっていたとのことですが、ごっこ遊びなどもしていましたか?
- していました! 幼稚園で毎日、友達と「おジャ魔女どれみ」ごっこをしていて。「きょうは誰が何の役をやる?」とかって話し合うところから始まって(笑)、呪文を唱えて、変身したつもりになって遊んでいました。単純に「呪文が言いたい!」っていうのが大きかったんでしょうね(笑)。
幼稚園に(春風)どれみちゃん(声/千葉千恵巳)みたいなお洋服を着ていくことも多かったです。
あと、すごく覚えているのは…小学校1年生のときに、サンタさんにどれみちゃんの一輪車をお願いしたんです。それをもらったときの嬉しさたるや、いまでも忘れられません。
寒い冬に毎朝早起きして、どれみちゃんの一輪車に乗って…ずっと練習してたから、すぐに乗れるようになったんです。1日2日くらいかな?(笑)本当にずっと乗っていましたね。
- メインキャラのなかでは、とくにどの子がお気に入りでしたか?
- 最初に好きになったのは(藤原)はづきちゃん(声/秋谷智子)です。たぶん、イメージカラーのオレンジ色が好きだったんですよね。
それに、はづきちゃんって…ほわほわしてるんだけど、急にスイッチが入って「ん? ちょっと、はづきちゃん!?」って思っちゃうくらい、自分の世界に入ることがあって(笑)。すごく可愛らしくて好きでしたね。
ほかのキャラもみんな好きなんですけど…(瀬川)おんぷちゃん(声/宍戸留美)が転校してきたときには、その魅力に惹かれました。 - “大人気のチャイドル”という、カリスマ性もありましたからね。
- そうですよね。私はたぶん、おんぷちゃんを見て初めて“アイドル”という存在を認識したんじゃないかと思います。その後に、モーニング娘。さんを好きになるんですが、「アイドルっていうお仕事があるんだ!」と知ったのは、おんぷちゃんがきっかけでした。
ちなみにいまイチオシのキャラは、ハナちゃん(声/大谷育江)です。今作に出演させていただくことが決まって、改めて「おジャ魔女どれみ」を観返したら…もう、ハナちゃんの可愛さにハマってしまって。ハナちゃんばっかり見ています(笑)。
明るいだけじゃないレイカ。その過去も想像して演じた
- 今回はソラ役の森川さん、ミレ役の松井さんと一緒にアフレコをされたとのことですが。
- そうなんです。これまでアフレコって、ひとりで録ったことしかなかったんです。でも今回は「3人で録ります」とのことで、「え!? 大丈夫かなあ?」って…。
初めての経験ですし、声優さんたちが複数人でアフレコされている映像を観て「これは大変だろうな」と思っていたので、「私にできるかな?」っていう不安がありました。 - 実際にやってみて、いかがでしたか?
- めちゃめちゃ難しいんです! みなさんと掛け合いながら、決まった秒数の中で自分のセリフを言っていくんですが、ちょっとでも遅れるとすべてがズレてしまうので…私はたくさんご迷惑をおかけしちゃいました(苦笑)。
つねに緊張感があったアフレコですが、掛け合いだからこそ生まれた自然な会話もたくさんあると思います。
- レイカを演じる際に、心がけていたことは?
- レイカはとても明るい女の子なんですが、その裏には悲しい過去が隠れているので、そういった“裏にあるもの”をしっかり持っていたい、というのは意識しました。どんなに明るいセリフを発していても、レイカの過去を想像して、自分の中に入れておくことで…ただ明るいだけじゃない、何かが伝わるかもしれないので。
あとは、レイカの顔が映っていなくて、肩だけが画面に入っているシーンとかもあるんですね。そういった、顔は映っていなくても画面に登場しているレイカを見逃さないように、ずっと追いかけていました。 - レイカはほかのふたりよりも恋愛経験があったり、広島弁をしゃべったりと、演じるうえでのバランスが難しそうだなと思ったのですが。
- そうですね。いろんな要素が含まれている女の子だったので、難しかったです。台本に書かれている彼氏との会話だけを見ると、たしかに20歳だなと思うんですが、キャラクターのビジュアルが可愛らしいので、そこに合う声をまずは探さないといけないのが難しかったですね。
「このくらいのテンション感かな?」と思っていても、かなりシリアスなシーンも出てくるので、「こういうときのレイカって、どんな感じのトーンでしゃべるんだろう?」って…レイカの表情を想像しながらやっていった感じですね。
アフレコ時はまだ画ができていなくて、(スタッフから)「百田さんのお芝居にあとから画を合わせることもできますから」って、最初におっしゃっていただけたことも大きかったです。相談しながらアフレコできたので…難しかったですけど、とてもやりがいがあったし、完成版が楽しみです(※取材が行われたのは9月上旬)。
感動を通り越して放心状態だった、レジェンド陣との収録
- 佐藤順一監督をはじめ、「おジャ魔女どれみ」のオリジナルスタッフが再集結したことも話題ですが、佐藤監督からのディレクションはありましたか?
- 「3人のリアルな気持ちも会話に表れるから、本当に自然な会話をしているような雰囲気でお芝居をしてほしい」と言っていただきました。私たちの気持ちをすごく大事にしてくださる監督さんなんだなと感じましたね。
1シーン1シーン、本当に丁寧に録ってくださって…。「ここのテンションが、どういう感じかわからないんです」みたいに相談したら、一緒に考えてくださったり。優しく引っ張ってくださったので、私としてはもう…身を預けて(笑)、臨みました。 - どれみを演じる千葉さんをはじめ、キャストのみなさんと一緒にアフレコする機会はありましたか?
- はい! 1シーンだけ、みなさんと一緒に録らせていただきました。
- 「おジャ魔女どれみ」ファンとしては、感動だったのでは?
- いやもう…感動を通り越して、放心状態です(笑)。自分が夢中になって観ていたキャラクターの、テレビから聞こえていた声を生で聞けるなんて! その現象が理解できなくて、「いまは一体、何が起こってるんだ?」っていう感じでした。
夢みたいなことが起きているのに…放心しすぎて、もったいないくらい記憶が曖昧なんです(笑)。
それに、キャストのみなさんの前でお芝居する場面もあって、「え!? どうしよう!?」って。しかも、私たち3人で演じるシーンを「じゃあ、まずお手本を見せてあげて」と監督が言ってくださって、キャストさんたちが「こんな感じですかね」みたいに実演してくださったんです。
- それはまた、たまらない瞬間ですね!
- そうなんですけど、それを見たら…余計できないじゃないですか?(笑)「こんな素晴らしいお芝居、私には無理だ〜!」ってなりながらも、「こんなにいろんな方が助けてくださって、夢みたいな場所でお仕事をさせてもらっているんだから、頑張らないと!」って…。
夢と現実を行き来しながら(笑)、気持ちを切り替えて演じました。 - 小さい頃に「おジャ魔女どれみ」ごっこで呪文を唱えていたとおっしゃいましたが、今作ではレイカとして呪文を唱えるシーンもありますよね。
- そうなんです! 台本で見たときは…震えました。「え!? これは私が言ってもいいものなのか?」みたいな。小さい頃は遊びでやっていたのでいいんですが、公式でやるとなると「どうしよう!?」って。「おジャ魔女どれみ」が好きすぎるからこそ…アフレコの直前まで緊張していました。
収録が終わったいまでも、まだ緊張していますもん(笑)。それぐらい、「おジャ魔女どれみ」のセリフのパワーってスゴいなと、改めて実感しています。 - 大好きな作品に関わり“夢のような場所”でお仕事をされて、改めて感じたことは?
- 声優さんのお仕事は、やればやるほど難しくて…私自身、もっともっと深く知りたいですし、もっともっとできるようになりたい。声の使い方、声の表情の出し方を今回もたくさん学ばせていただきましたが、もっと声を操れるようになりたいと強く思いました。
学んでも学んでも足りなくて、きっと永遠に学ぶことがあるんじゃないかなと、今回やってみて改めて実感しています。
- 百田夏菜子(ももた・かなこ)
- 1994年7月12日生まれ。静岡県出身。AB型。4人組ガールズユニット・ももいろクローバーZのリーダーを務める一方で、女優や声優として活躍の場も広げている。主な出演作に、映画『幕が上がる』、連続テレビ小説『べっぴんさん』(NHK)、劇場アニメ『かいけつゾロリ ZZのひみつ』、ドラマ『プラスティック・スマイル』(NHK静岡放送)など。
作品情報
- 『魔女見習いをさがして』
- 11月13日(金)全国ロードショー
- https://www.lookingfor-magical-doremi.com
- 公式Twitter(@Doremi_staff)
https://twitter.com/Doremi_staff
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- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) November 9, 2020
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・応募〆切は11/15(日)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/UEcOvoq1Ry pic.twitter.com/Y9OnwxtZHt- 受付期間
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