清春

写真拡大 (全6枚)

歌手の清春が、30日の都内で会見を開き、52歳の誕生日に合わせてきた自叙伝、『清春』の発売を知らせた。デビューから25年が経ったタイミング、その半生を本にまとめている。

出来上がった本について、改めて「読み返してみた」という清春。「僕が高校生の時に思い描いていたロックミュージシャンというあり方…、それを割と…突き通せていると思う。それが、この本の中心になっている」と自らの感想を表した。

▼ 自叙伝『清春』の記者会見を開いた、清春


「普通は、理想と現実における距離が段々と離れていくのだろう。周りの友だちとかを見ていても、そう思うから。でも僕は、それを突き通せてきた」

「50代の男性、同世代に対して、それぞれの人生の生き方。一個の参考にしてもらえれば」と入り口を示した。

これまで25年のアーティスト活動。一貫した思い、変わらぬ信条があるか聞いてみると「個であること」と返ってきた。

「僕が好きだったミュージシャンは、とあるバンドの個人だった。僕の場合、バンド全員が好きだったということが無かった。時代も変わって、僕らのようなジャンルのミュージシャンは、個人の名前でしか残っていないような気がする」と自論を展開した。



「若いミュージシャンの方は、バンドの名前でやったほうが、集客も出来るでしょう。まぁ、バンド再結成ということもあったりするが、マーキングされるのは、やっぱり個人。本を書いている人、絵を描いている人のような、ミュージシャンというより、アーティストという括り。僕が一番、分かりやすいジャンルにいるかもしれない。バンド全体のサウンドを聞くというよりも、その人がどういう考え方、表現をしているかなど、一人を見ていたほうが勉強になった」

「僕の場合も、たまたま早い段階で解散した。黒夢というバンドも4年しかやっていない。その時(解散の直後)は不安だった。でも、残っていく自信もあった」

「音楽雑誌を見ていて、全体を見ていなくて、この人が好き。団体の中で、頭が一個出ている…そんな感覚、そんな人を見ていた」

司会者は「ざっくばらんに、何でも聞いてほしい」と会見を進行。清春も冗談を交えながら記者を笑わせていたが、この質問に関しては「最初は団体でいるんだけれども、個を磨くというか、それが僕のロックというか、音楽における魅力の一つでしたかね…」と、しみじみ語っていた。