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元『小悪魔ageha』の人気モデル、ももえり、こと桃華絵里さん。現在はアパレル会社・株式会社Moeryの代表を務める傍ら、モデル・タレントとしても活躍中です。11歳になる男の子の母でもあるももえりさんに、ブランド経営のことや美容のこと、子育てのことまでうかがってきました!

――ももえりさんのことは、『小悪魔ageha』時代から拝見していました。MOERYのブランドが大人気ですが、最近はカジュアルなお洋服が増えていますね!

そうですね。もともとはキャバ嬢さん向けのドレスを販売するインターネット通販の会社として立ち上げたんですけど、数年前からカジュアル路線に切り替えています。

――スタイルがよく見える服ばかりですよね!

切り替えしや、ちょっとした首の開きにも鎖骨が美しく見えるようにしたりなど、こだわって作っています。

――サイトにモデルさんの身長と体重が書いてあるので、選ぶ際の参考になりますね。

なるべくものすごく細いモデルさんは使わないようにしています。モデルも全員、MOERYスタッフがやっているんですけど、痩せすぎず、太すぎない体形で、身長もそんなに高めではないスタッフがやるようにしています。

――社員の方が美しい方ばかりなんですね。

みんな入社するとどんどんキレイになっていきます。キレイな子が多いから、相乗効果でみんな努力して、さらにキレイになっていくんです。

――なるほど。ブランドの立ち上げ時は、キャバ嬢さんのためのドレスがコンセプトでしたけど、だんだんと作りたい服のイメージが変わっていったのでしょうか?

キャバ嬢さんのためのドレスを販売するのをやめたのが、4、5年前くらいです。MOERYは今年で10年目を迎えるんですけど、キャバ嬢さんも以前よりもドレスを着なくなってきているんです。盛りヘアーもしなくなってきて、カジュアルになってきていて。そこで、ドレス会社だからということで、スタイルがよく見えるマキシワンピを作ってみたんです。そうしたら、それがとても好評でした。

そこで、購入してくださるお客様の幅もカジュアルなほうが広いので、カジュアル路線もやってみようかということで、「Moery Sport」というスポーツラインを立ち上げました。上下のスウェットのセットアップを販売してみたら、1日で2000枚越えで売れるようになったので、カジュアル路線を広げていきました。今は「Rocotta by MOERY」と「BLAIR by MOERY」と「Hug Me」というブランドに分けて作っています。ターゲットの年齢も、幅広い年齢層に向けたものを増やしています。


――なるほど。ターゲットもだんだん広がっていっているんですね。


ちょうど私を応援してくださるファンの方もみんな大人になってきて、34歳くらいから40代の方が増えているので、そういった方たちに向けて、いい提案ができればと思い、ちょっとずつラインを変えていっています。


――ママさんのファンも多いですよね。入学式のためのスーツも販売されていますし。


そうですね。ママのお客様も多いです。あとは、意外に思われるかもしれませんが、ギャル系のお客様は少ないんです。MOERY SHOP静岡店では毎年、2回、イベントをやるんですけど、そのイベントに来て下さるお客様もギャル系はあまりいらっしゃらないんです。OLさんや主婦の方が多いです。

――それは意外です。

露出も少なくて、通勤にも着ていけるものをたくさん作っているので、私の年齢や応援してくださる方の年齢とともに、ブランドも成長していけたらと思っています。




起業は「仲間がいたからできた」


――ももえりさんは24歳で起業されていますが、起業したいという女性は今の時代、とても増えていると思います。人気モデルとしてやってこられていた中で、起業されることにためらいはなかったんでしょうか?

起業することにためらいはありました。両親はじめ、まわりの人たちは心配もしますし。「リスクがあるよ」とか、マイナスな意見が多かったです。でも、息子が小学校にあがるまでには、夜の仕事は卒業して、昼の仕事にしたいと思っていたんです。キャバ嬢をやっていて、『小悪魔ageha』でモデルをやっていたので、そのスキルを生かして、昼にできる仕事は何だろう? しかも静岡にいながらできる仕事とは、ということを仲間内で話していました。今のマネージャーのマサキももともとは、キャバクラのボーイさんだったんですけど、そういう仲間が集まって、じゃあアパレルブランドを立ち上げようという話になりました。今もショップで働いてくれている女の子は、地元で一緒にキャバ嬢をしていた女の子もいるんですよ。

――じゃあ、仲間と一緒に起業、という感じだったんですね。

そうですね。仲間と一緒だったから心強かったのもありますし、24歳という勢いもありました。今だったら、知恵もついているので、探り探りやったかもしれないんですけど、あのころは勢いでできてしまったところがありましたね。子どもを育てることもそうですけど、勢いがあったからやってこれたんだと思います。

――体力もありますしね。軌道に乗るまではそれでも、大変なこともありましたよね。

大変でしたね。最初は「今日2着売れたね」「今日は5着売れたね」という感じでした。私も自分で梱包(こんぽう)して発送したときもあります。 今もたまにしますが。

――それが今はすぐに売り切れてしまう商品がたくさんありますよね。予約販売はされていないんですよね?

今のところはしていません。予約をとると、キャンセルが増えたり、トラブルになることがあるので。でもそういうリクエストは多くいただきますね。

――私も購入したことがあるのですが、発送されてくるのがすごく早くてびっくりします。

発送も自社で全部やっているんです。入学や卒業式のお洋服ですとか、絶対にこの日に着たい、というお洋服があると思うので、発送は早くしています。最初のころは発送が遅いことで、お客様にご迷惑をおかけしてしまったこともあるので、ご要望を取り入れて、やり方に修正を加えていっています。静岡の本社の2階に倉庫があるので発送がすぐできるんです。サイトに載せる撮影も会社でやっていますし、本社ですべてのことをできるようにしています。



起業したいなら、仲間を増やし、応援してくれる人を作ること

――起業をしたいと思っている女性にアドバイスをしていただけないでしょうか?

私はアドバイスできるような人間ではないですけど、あえて言わせていただくなら、仲間を増やすことだと思います。それから、応援してくれる人を増やすことでしょうか。起業に必要なノウハウというのはあると思うんですけど、それよりも仲間を増やし、応援してくれる人を増やしていくことかなと思います。キャバクラと一緒で、また来たいと思ってくれる人が増えたり、また一緒にお仕事したいと思ってくれる人が多くなっていくと、少しずつ会社も軌道に乗ってきます。私が10年目にして思うことなんですけど。

――キャバクラ時代の人脈はやはり生きていますか?

人脈といいますか、キャバクラで培ったノウハウは大きいと思います。気配りだったり、お客様へのコミュニケーションはキャバクラ時代に学んだことが生きています。他のビジネスにも似ている部分かなと思いますね。

――ももえりさんは社長として社員の方々の上に立たれているわけですが、リーダーとして心掛けていることはありますか?

私は社長といっても、社員との距離が近いんです。特に社長室を作ってもいないですし、社員とは常に話せる状態にいます。年齢も近い女の子が多いので、友だち社長みたいな感じかもしれないですね。

――じゃあ、社長とも呼ばれず?

社長と呼ばれてはいるんですけど、距離はとても近いです。でも、社員は仲がいいんですけど、女性が多いので、トラブルはありますよ。私はちょっと注意したいときは、直接言わずにLINEを使ってスタンプを送ったりします。あまりきつく言ってしまうと、今の世代の女の子にはかえってよくないので。

――LINEを使ってくださっているのですね。ありがとうございます。よく使われるスタンプはありますか?

「珍遊記」が好きで使っています。LINEスタンプはビジネスシーンでも役に立つんですよ。文章だけでなくて、スタンプを入れることで、やわらかく伝えることができるので。あと「おぼっちゃまくん」もよく使います。キモイ系が多いです(笑)


珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜


おぼっちゃまくん



社長として心掛けていること

――起業しないまでも、20代後半〜30代になってくると、会社でもリーダーシップを求められてきますよね。リーダーシップは自然と身に着けられたのでしょうか?

身に着けたというより、社員が私を育ててくれたんだと思っています。子どもと同じですよね。子どもが親にしてくれるのと一緒で、社員が育ててくれた感覚があります。「社長、これどう思いますか?」って聞かれながら日々やっているので。でも最終ジャッジは自分が常にしていかなければならないんですけど。


――そうですよね。


あとは会社にあまり組織感を出したくないと思っていて。ピラミッドのようなものを作ってしまうと、自分が見えない部分が出てきてしまうと思うんです。社員が悲しい思いをしているのにそれが私の耳に入ってこなかったり。広い心でどんと構えて、大丈夫だよってみんなに安心感を持たせてあげられる存在でいたいですね。あと、夢を持って働いてもらうことが大事だと思っているんです。

――夢を持って。

夢を語り合うのも私の一番の仕事かなと思っています。一緒にこんな楽しいことがしたいね、とかちょっとしたことでスタッフのモチベーションはあがると思うんです。私もいろんなバイトをしてきた経験から、社長や店長に言われることって良くも悪くも働くモチベーションに影響するなとわかっているので。上の人の言うことひとつで、気分は上がったり落ちたりしますよね。

――しますね〜。

だから、常に平常心で笑顔で。あれ? と思うことがあっても怒るのはLINEスタンプにして。あとは部長やマネージャーに「私から言うと傷ついてしまうから、ちょっと優しく伝えてもらえるかな」とかワンクッションはさんだりします。



――注意することは一番気を使いますよね。ほめることも意識されていますか?


もちろん。常にほめることは意識してます。でも人によって変えていますね。ほめすぎると逆によくない子もいますし、ほめて伸びる子もいますし。子育てと本当に同じですよね。人を見て、このスタッフにはこういうふうに接しようとか、このスタッフとはちょっと距離を保ってLINEで会話するぐらいがいいかな、とかそこはすごく気を付けています。

――個性を見ていらっしゃるんですね。そんなすてきな上司、なかなかいませんよ。

みんな、私が頼りないと思って、一生懸命、支えてくれているんだと思います。

――それがまたいいのかもしれないですよね。私たちが助けてあげないとっていう気にさせるところがモチベーションになるのかも。

それはよく言われます。「大丈夫ですか?」「社長、気を付けてくださいね」とか。私を心配することで、みんなが大人になっていっているのかもしれないですね。

――お仕事の振り方は、やはりその人の適性を見て決められていますか?

そうですね。部署は勘で決めることが多いんですけど、得意分野、不得意分野を見て決めたりはしています。ぜんぜんアパレル経験がない子でも、ファッションが大好きで、裁縫が上手だという話をふだんから聞いていたら、ちょっとやってみて、って言ってみたり。仕事があまり好きじゃなくて、サボるのが上手だけど、みんなのムードメーカーでその子がいるといい雰囲気になる、という子もいて、その子に向いた役割というのはありますよね。



ももえりの子育て

――子育てのお話もお聞きしたかったのですが、息子さんももう11歳なんですね!

今年で12歳。あっという間に大きくなりました。靴とか私とシェアできるんですよ。パンツの長さも私と変わらないですし。発言もどんどん大人になってきて、ひとりでいたい時間が増えているみたいです。

――ママがお仕事で東京に行くときも、寂しからずに送り出してくれますか?

全然平気ですね。私のマンションの隣に母が住んでいるので、そこを行き来している状態なんですけど、大人になりましたね。来年はもう中学生なので、思春期ですし。


――恋愛にも興味がでたり?


そこはまだみたいです。意識をするからでしょうね。でも、息子は釣りが大好きなんですけど、釣り番組でかわいいお姉さんが出ていたりすると、すごい見ています。「何見てるの? お姉さんでしょ」って言ったら「見てないよ」って。


――男の子っぽい! じゃあもう一緒に出かけることも減ってきているんですか?


出かけてくれないですね。釣りぐらいかな。釣りにはまだひとりでは行けないので。スーパーやショッピングはもうなかなかついてきてくれないですね。

――じゃあ一緒に洋服を選んだりもせず?

前までは「ママ選んで」って言ってきていたんですけど、最近は一緒にネットで見て「こういうシンプルなのがいいんだよね」とか言います。「あんまりこういう柄のはいらない」とか。



――発言が大人。それなら、子育てで悩まれることは減りましたか?


悩むことはありますね。成長とともに常にあります。



ももえりの美容法

――ももえりさんの美容法についてもぜひ教えてください。昔から本当に変わらないですよね!

保湿ですね。単純に、シンプルなところをしっかりやるしかないかなと思っています。最近ハマっている美容法は、岩塩の半身浴です。あとは加湿器をつける、ジムに行く、スムージーを飲むとか、昔からずっとやっていることを続けています。


――運動はやはりジムで。


そうですね。水泳が好きなんです。でもやりすぎるとムキムキなってしまうので、ほどほどに。

――食べ物は気にされていますか?

自炊はなるべくするようにしています。お休みの日はちょっと手をかけたり。息子には栄養価の高いものを食べさせて、私は燃焼スープにしたりしています。美肌スープとかも。野菜をいっぱい入れて作るんです。


――ストレスがたまってしまったときの発散法はありますか?


ストレスのこととか考える暇がなく、いろいろな問題がどんどん出てくるので、それをバーッと勢いで片付けている感じなんです。リラックスする時間は、好きな音楽を聞いて、家でちょっと飲むぐらいですね。


――では最後に、今後の夢があれば教えてください。


今までは会社を大きくしたいと考えてやってきたんですけど、ゆっくり暮らしたいなと思います。会社も長く長く、持続させることが大事だなと思うので、仲間たちとコツコツやっていきたいです。「幸せであればいいじゃない?」って最近は思うんです。ただ仕事に追われて忙しくて時間が過ぎて、気付いたらあっという間におばあちゃんというのではなくて。今を楽しみながら心と時間に余裕を持って生きていきたいなぁと思いますね。

――人生を楽しみつつ、ですね。ありがとうございました!





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桃華絵里 公式ブログ


パッと華やかなオーラをまとったももえりさん。社長業、モデル、タレント、ママ……いくつもの顏を持ち、そのどれにも丁寧に取り組んでいるところが、輝きのひけつなのかもしれない、と思いました!

会いたい“あのひと” を身近に ―― LINE BLOG。
春、何か新しいことを始めたくなりますね!
それでは、また。

(撮影/奥田耕平、取材・文/Mikity)