こんなアイコンは“やっちゃダメ、絶対”! 加工の限りを尽くせば人は変われる。だがその偽装は周囲を困惑させるものでしかない。
中年男女の“痛い”アイコン
「他人様のLINEアイコンを見て“痛いな”と感じたことはないのですが、不思議な気持ち、モヤッとした気持ちになったことはありますね」
「いかにもセレブな旅先の風景などのアイコン。金持ちアピールにイラッとする」(20代男性)、「自分にキラキラ加工を施す美魔女気取り。本人がキラキラしていないのに加工間違ってない?」(20代女性)、「可愛いスイーツの写真。許されるのは20代までだと思う」(30代男性)、「推定体重80キロくらいなのに別人のようにシャープに加工された顔写真」(50代女性)などなど、映えを狙いすぎ・盛りすぎの写真、経済力をにおわす写真が不人気だ。
「まず、あの小さな丸の中で己の理想の世界観を表現することに無理があるのでしょう。自分を加工で盛るアイコンは、40代くらいに多め。むしろ“加工後の姿が本当の姿”とさえ思っているような人もいそうです。
「インスタ世代ではないから、アイコンをインスタの投稿がわりに使っているのかもしれませんね」
「知人女性のアイコンですが、本人の眼鏡だけ写った写真はシュールでした。知性アピールなのかな。あとはドアラやつば九郎といった野球チームのキャラなど、趣味全開のものを使うのは少し子どもっぽさを感じます」
「アントニオ猪木さんとツーショットのアイコンは“すごい人がバックについていそう”という印象でした。また自分が“似ている”と言われた芸能人の写真を使う人もいますね。自分でも本当に似てると思っているんだろうな、と感じてしまいます」
「可愛い似顔絵を使うには少し無理がある年ごろです」
「風景や花はいいんじゃないでしょうか。そこまで自己愛が強くなさそうに思えます」
「いっそのこと仏像などはどうでしょうか。宗教観が出すぎてしまうかもしれませんが、癒し系です。トークの内容も格調が高くなりそう。地蔵もかわいいし、道祖神などもおしゃれですね」
「とある石碑のアイコンを使う友人がいたのですが、アイコンのサイズで見てしまうと墓石にしか見えない。小さくなったときにどう見えるかを考えると、石碑はちょっと」
「やっぱり究極のポジティブは、自然や宇宙。私も自分で撮った太陽をアイコンにしています。ただ、次がないんですね、究極すぎて。次は月にしようかな、どうしようかな、というぐらいですね」
「今さらうなじだの、横顔だのといったアイコンに戻れません。ある意味、もっと紆余曲折してから太陽にすればよかったなと思います。いろんなアイコンで悩んだり迷走するのも、人間の性やドラマがあっていいかと思います」
【中年男女が使ってはいけないアイコンランキング】
〈1位〉ナルっぽさ100%!『キメ顔』
〈2位〉年とったらダメよ!『動物加工』
〈3位〉セピアがかってる!『若かりし日の自分』
〈4位〉美肌、デカ目、赤い頬『加工厨』
〈5位〉セレブ感漂う『におわせ風景写真』
無難アイコンにもダメ出し!?
【犬、猫】
【子ども、孫】
「子どもの顔出し写真とかはどーなの?って思う」(50代女性)「まず本人が顔を出して」(30代女性)
【花、自然】
世代別あるあるアイコン
若い子世代(10〜30代)「アバターや似顔絵が定番」
読者世代(40~60代)「犬や猫、家族など無難な写真」
高齢者世代「デフォルトの人物シルエット」
辛酸なめ子●1974年東京都生まれ・埼玉県育ち。セレブや芸能人・皇室をなど独特の観察眼と妄想力で描いたイラストやコラムが人気を博す。近著に『新・人間関係のルール』(光文社)など
(取材・文/安川ヤス子、『週刊女性』アイコン取材班)