渡辺えり 撮影/伊藤和幸
「優柔不断でついつい支払って、気がついたらお金がないのは私とそっくりです(笑)」
「高齢化社会を迎えて、みんながシビアに考えないといけないことだと思います。特にコロナによって財政が赤字になって年金が少なくなったり、医療費が高くなったりするのではと心配です。
自身の老後は78歳
「あることに使おうと思って銀行から引き出そうと思ったらないことがわかったんです。そのことに1年近く気づかなくて、社長として通帳の確認をしないで、税理士さんに任せっぱなしだった私がいけないですけどね。それをきっかけに考えを変えざるをえなくなって、とにかく働こうと思っています」
「母親は気が利き頭の回転が速かったのですが78歳からピタッと止まりました。先輩女優さんには78歳でも舞台で長ゼリフを言いながら動きまわっている方がいれば、亡くなられた方もいて分岐点なのかなと。私もその年齢までは何とか頑張りたいですし、それ以降が老後なのかなと思っているので、それまでに(資金を)貯めたいと思っています。
(女優業は)セリフが覚えられなくなったら終わりだと思っています。(劇団の)脚本を書いて演出もしたいけど頭が混濁したらそれもできないですから、いつまでできるのか不安はあります。78歳になっても続けられていたら、めっけもんだと思います」
「同学年なので同じものを読み、同じテレビ番組を見て、同じ舞台を見て育ってきていますから話していても楽しいです。まじめな方で、すでにセリフもすべて覚えてる。私はまだですけど(笑)。血液型が高畑さんはA型、私はO型。役柄同様に対照的かも」
「歌も踊りも大好きなので、それを高畑さんと一緒にできるのがうれしい。共演者がダンサーとしてバックで踊るのも楽しみです。
演劇界のゴッホを目指すつもりで!
「まずは言われたことをやってみて、違和感があったときに質問をして話し合って変えたりしています。
「人生はお金だけなの? と思うんですよ。
私も演劇界のゴッホを目指すくらいのつもりでいたいです。私の芝居を見たいと言ってくれる方がいるかぎりお金にならなくてもやり続けますよ」
ジュリーは“半身”
「ジュリーを超える人がいない。そういうファンはいっぱいいると思います。性格がいい、掃除も得意で手伝ってくれそう。勉強好きで読書家、物知り。自分で作詞作曲もでき音楽や絵画にも精通している。原発反対で社会的思想も持っていて、そういう人はなかなかいないと思います」。YouTubeでジュリーの歌を聴きながら寝るのが日課になっている。
『喜劇老後の資金がありません』
(東京・新橋演舞場で8月13日~26日、大阪・松竹座で9月1日~15日)