俳優チュ・ジフンが、自身主演のドラマ『キングダム』に対する率直な気持ちを明かした。
『キングダム』は韓国初のNetflixオリジナルドラマで、1月末の公開と同時に大きな反響を呼んだ。東南アジアを筆頭に海外からも絶賛の声が寄せられ、新感覚の“Kゾンビ”(韓流ゾンビ作品)として熱い旋風を巻き起こしている。
(関連記事:チュ・ジフン主演の新ドラマ『キングダム』のポスターが公開。“新感覚”のミステリースリラーに期待高まる)
チュ・ジフンにとって『キングダム』は「自らを振り返るきっかけになった作品」だという。
(写真提供=Netflix)
「ヨンシン役のキム・ソンギュと撮影していて、大きな気付きを得た。精神的なアフターサービスをしっかり行わなければ、と。
あるとき彼が“カメラの前に立つのが怖い”というから、“楽しくても辛くても自分がやると決めてここへ来たのだから、悩まずやれ”と言った。しかし、かくいう僕もその後突然のめまいに襲われて、自分自身が知らないうちにとてつもないストレスを感じていたのだと実感した。
そのときは簡単に“悩まずやれ”と言ったけど、僕自身も大きな負担を感じていた。それを気づかせてくれたキム・ソンギュに感謝して、自分へのアフターケアを怠らず休日を大切に過ごそうと思った」
さらに「そうやって自分に正直になると、現場ではもっと正直な自分を出せた」と続け、撮影当時のエピソードを明かしている。
「自分の未熟な部分を認めて監督に伝えることに、恥ずかしさを感じなくなった。僕は背が高くて運動神経も良いように見えるけれど、幼少期に交通事故で足を怪我して今でもジャンプ力がない。
若い頃は相談もできずに無理やりこなしていたけど、今は“実はこんなことがあってリハーサルが上手くいかない”と話せるようになった。ちゃんと伝えれば監督は足りない部分を補う方法を探してくれる。最初からそれだけのことだったのだ」
次回作は未定だというチュ・ジフン。最近は出演作がすべて大きな反響を呼んでいるだけに、作品を選ぶうえで慎重になることはないのだろうか。
これに対しては「チョン・ウソンさん、ファン・ジョンミンさん、ハ・ジョンウさんといった素晴らしい先輩たちから学んだことがある」という。
「以前までの僕は新たな挑戦を怖がって考えすぎていた。しかし今は、上手くいかなかったときはそれだけ自分がもっと時間をかければいいと思っている。だから積極的に行動できるようになった」
また、チュ・ジフンは「まるで祝福とでも言うかのように、ここ3~4年の間に大切な人がたくさんできた」と続け、感謝の気持ちを伝えた。
「人間に生まれたからには、嫌でも周りからいろんな影響を受けるものだ。特に、大切な人と接して得る素晴らしい心は格別だ。僕も先輩たちから聞かされる良い話には大きな影響を受けている。
例えば僕が“とても暑い”といえば、大切な人が“いいじゃないか、久しぶりに汗をかくのだから”という。そうすると置かれている状況がとても良いものに思えてくる。そんなことがあるから、大切な人と良好な関係を続けていくために頑張ろうと思うようになった。より奉仕して分けあう気持ちが大事だ。最近はそんな風に過ごしている」
“素晴らしい人たち”が後を絶たないのは、チュ・ジフン自身が格別な人間味に溢れているからだろう。チュ・ジフンは自身の人柄を「柔軟だ」と表現した。
(写真提供=Netflix)
「“自分の長所はこれだ”といくら伝えたところで、見る人が共感しなければ意味がない。もちろん、他人の視点が一番大事というわけではないけれど、それを踏まえても僕は柔軟なようだ。“チュ・ジフンは綺羅星のような先輩たちを前にしても物怖じしない”と言われるが、それは僕自身が彼らを好いているからだ」
さらにチュ・ジフンは、「僕にとってたくさんのことを学べる人たちだから積極的に接するのだけど、良く言えば柔軟で、悪く言えば無礼ともいえる」と付け加え、冗談交じりに笑った。
尊敬すべき先輩たちの影響を一身に受け、休む間もなく挑戦を続けるチュ・ジフン。周囲から「馬のようによく働く」という声も上がるほどだ。
「僕が思いついたときに素晴らしい作品と出会えて、断る理由がない。もうすぐ40代になる。そのときに40代の俳優として格好いい姿を見せることはできるけれど、後で後悔しないためには今できることを全力でやらなければならないし、一生懸命やりたい。だから熱心に働いている」
終始、人並外れた巧みな話術で、時には冗談を交えながら、確かな芯の強さを見せることも忘れなかったチュ・ジフン。数々の作品を通じて刻んでゆく新たなストーリーは、これからも見る者を惹きつけて離さないだろう。
40代を目前にしてさらなる高みを目指すチュ・ジフンの今後の活躍に、一層の期待が集まる。