「特別捜査:死刑囚の手紙」キム・サンホ“自ら信じてこそ観客も信じてくれる”

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「キャラクター、作品に対する信頼の出発点は私自身です。自ら信じてこそ観客を説得できます。スポンジのように引き込まれること、それが重要だと考えます」

俳優キム・サンホは最近、ソウル鍾路(チョンノ) 区三清洞(サムチョンドン) のあるカフェで記者と会った。穏やかな近所のおじさんのような感じで、「あ、こんにちは」と迎えてくれた。特有のヘアスタイルに情を感じる眼差し、そして叔父さんのような語り口の彼は、今回の映画「特別捜査:死刑囚の手紙」(監督:クォン・ジョングァン) でも涙を刺激する父性愛いっぱいの父親として観客を泣かせる予定だ。

「作品を選択するということにおいて、決めておいた何かをしたり、目的があったり、そうしたことはないです。演技をする時は、どんな役割でも人々が信じるか考えます。今回のクォン・スンテという人物は、果たして置かれている状況が観客がどれくらい本物のように見えるようにすることができるだろうか、その水準を考慮しました。スンテという人物の感情があまりにも明確なので、たくさん見せることよりは効果的に見せるほうが、より良いと考えました」

キム・サンホは何かもしなくても、各キャラクターに信じられる感じを強く吹き込める俳優だ。色々な人物を演じても、あたかも私たちの周辺にいそうな身近さがにじみ出て、その中で惻隠の心と同情心が起きる。

「そうした点は私にとって、大きな長所だと考えます。誰かに無理に信頼を与えないようにしても、人々が信じようとするのです(笑)」

彼は演技論に対して、「信頼」と「効果的な表現」を強調した。ごり押しではない、観客に信じられる演技をしなければならず、分量が多くなくても効果的な登場と、その中でキャラクターが話そうと思うところをはっきりと伝達すること、それに重点を置いて演技をしている。

「主人公だといって、ずっと出てくれば本当に大変でしょう。年齢が取ってしていくほど率直になり、おもしろいようです。そして今回の映画はシナリオがしっかりとしているので、その中で俳優が走り回っても崩れなかったと考えます(笑)」

記者 : シン・ソウォン、写真 : ユ・ジニョン