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ヤリスクロスとヴェゼルの前席を比較! コスト主義のトヨタとデザイン重視のホンダ、思想の違いが明らかに!?【人気コンパクトSUV比較】

MōTA / 2021年4月27日 11時30分

ホンダ 新型ヴェゼル vs トヨタ 新型ヤリスクロス 内装・インパネ・前席比較

ホンダの人気コンパクトSUV「ヴェゼル」が2021年4月22日(木)、フルモデルチェンジを実施した。先代は長くクラスTOPの人気モデルだったが、後発のライバル車「トヨタ ヤリスクロス」が2020年に登場して以来、流れが変わった。 今回は宿命のライバルである新型ヴェゼルとヤリスクロスの内装、特に前席の居心地や使い勝手に特化し、2台の違いをチェック。2台を比べてみると、ホンダとトヨタの考え方の違いが明確に表れた内装だった!

ホンダ 新型ヴェゼル vs トヨタ 新型ヤリスクロス 内装・インパネ・前席比較

コスパ高い「ヤリスクロス」の内装はコンパクトカー「ヤリス」そっくりだった

トヨタ ヤリスクロス

新車価格179万円から! 新型ヴェゼルに比べ断然安いヤリスクロス

2020年8月31日に発売を開始するや、瞬く間に人気モデルとなったトヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」。

その人気の理由はいろいろとあるが、大きいのはコストパフォーマンスの高さだろう。

トヨタ ヤリスクロスの内装・インテリア

消費税を含む販売価格は、1.5リッターガソリンモデルで179万8000円から244万1000円。ハイブリッドモデルでも228万4000円から281万5000円と、メインは200万円台の価格帯に収まる。

消費税が10%になったことや、先進運転支援システムなど高価な装備の数々が標準化されたこともあり、近年クルマの価格は上昇傾向にある。そんな中で、いま流行りのSUVが100万円台から手に入るのだから、大人気なのもうなずける。

ちなみにライバルのホンダ 新型ヴェゼルの価格は227万9200円から329万8900円。決して高価ではないのだが、ヤリスクロスに比べると割高に見えてしまう。

ヤリスクロス低価格の秘密は内装に隠されていた!?

コンパクトSUV「トヨタ ヤリスクロス」の内装・インパネ周り,コンパクトカー「トヨタ ヤリス」の内装・インパネ周り

コンパクトSUV「トヨタ ヤリスクロス」の内装・インパネ周り,コンパクトカー「トヨタ ヤリス」の内装・インパネ周り

本題の内装を観ていこう。ヤリスクロスの内装に、特別な豪華さや派手さはないが、全体に質感は高い。そしてクルマに詳しい方なら、アッと思われるかもしれない。

ヤリスクロスはコンパクトカー「ヤリス」のプラットフォームをベースに造られたコンパクトSUVだが、運転席・助手席の正面にあるインパネ(ダッシュボード)のデザインは、そのヤリスに良く似ているのだ。

それもそのはずで、多くのパーツをヤリスと共通化している。そうすることでコストを抑え、結果として多くのユーザーをひき付ける低価格帯を実現している。

「インパネをヤリスと共有している」は、オーナー以外はおそらくほとんど誰も気にしないところであり、しかもコストを抑えた分はしっかりユーザーに還元されているのだから、誰も損はしていない。そうしたトヨタの狙いが見事に当たっている。

新型ヴェゼルはしっかりコストをかけた専用デザインの内装が好印象

コンパクトSUV「ホンダ 新型ヴェゼル」の内装・インパネ周り, コンパクトカー「ホンダ フィット」の内装・インパネ周り

コンパクトSUV「ホンダ 新型ヴェゼル」の内装・インパネ周り, コンパクトカー「ホンダ フィット」の内装・インパネ周り

続いて、新型ヴェゼルの内装を観ていこう。

ヤリスクロスがヤリスをベースに誕生したと記したが、新型ヴェゼルも同様に、ホンダの代表的なコンパクトカー「フィット」のプラットフォームやパワートレインをベースに誕生している。

しかし先代モデルもそうだったが、新型ヴェゼルからフィットの流用を感じさせる部分は極めて少ない。よくよく見較べてみると、エアコンの操作パネルなどが共通であることを発見できるが、インパネ全体の形状は新型ヴェゼル専用のデザインが与えられている。

ヤリスクロスの項で「(コンパクトカーとの)インパネの共有は、オーナー以外は誰も気にしない」としたが、実際に買うのはオーナーであって、やっぱり気になる人は多いだろう。外観デザインの良し悪しも大事だが、乗車中常に向き合う内装の満足度はもっと大事なポイントのはずだ。

専用デザインの内装で「プラスアルファの体験価値を提供」する新型ヴェゼル

ホンダ 新型ヴェゼルの内装

ホンダが発表した新型ヴェゼルのプレスリリースには『日常生活の質の向上を重視し(中略)、実用性だけでなくプラスアルファの体験価値を提供することを目指して開発』したとある。

フィットとデザインを共有化し、コストを抑える手法もあったはずだが、ホンダはあえて手間のかかる専用設計を選んだ。

ホンダ 新型ヴェゼルは外観のデザイン性を重視しながらも、ゆとりある室内空間の両立を目指し開発された[Honda広報資料より]

運転席に座ってみると、新型ヴェゼルは前方や周囲の視界が良好で、解放感がある。

実は新型ヴェゼルは、先代モデルと車体の全長がほとんど変わっていないのだが、乗り比べると新型のほうが広く感じられる。もちろん設計段階で前後シート位置や荷室空間の見直しなども行われているが、開放感のあるインパネデザインの効果も少なくない。専用設計の効果は、こうしたところにも表れている。

コスパを重視するトヨタと、ユーザーの感性を重視するホンダ、あなたの好みはどっち!?

ホンダ 新型ヴェゼル,トヨタ ヤリスクロス

ホンダ 新型ヴェゼル,トヨタ ヤリスクロス

コンパクトSUVのライバル車、トヨタ ヤリスクロスとホンダ 新型ヴェゼルの内装デザインの違いから、トヨタとホンダのクルマの設計に対する考え方の違いすらも浮き彫りになった今回の比較。

このように内装ひとつとっても、コストパフォーマンスに優れるヤリスクロスと、デザインや居心地の良さを重視した新型ヴェゼルという考え方の違いが現れている。

ライバルの2台と書いたが、ここまでキャラクターが明確に違うと、選ぶ側にとっても好みがはっきり分かれてくることだろう。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]

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