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魔法少女アニメの先駆け『魔法使いサリー』 大ヒット支えたのは強烈な「脇役」の存在?

マグミクス / 2020年12月6日 7時10分

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■魔法少女ブームはここから始まった

♪マハリ~ク マハ~リタ ヤンバラヤンヤンヤン

 ワンフレーズを聞くだけでワクワクした気分がよみがえってくるこの歌は、今から54年前の1966年12月に始まったアニメ『魔法使いサリー』の主題歌です。日本初の女の子向けアニメで、その後続々と作られた魔法少女ものの先駆けとなりました。

 原作は“マンガの鉄人”と称され、「鉄人28号」や「三国志」などの大ヒット作で知られる横山光輝氏。2年にわたり109話放送された後も何度となく再放送され、1989年には再アニメ化もされるほど愛された大ヒット作品です。

 主人公のサリーちゃんは、魔法の国のお姫様。憧れの人間の世界に遊びにきて、小学5年生の女の子として人間界に住むことになりました。魔法で切り株を家にしたり、動物と話したり、時間を戻して泥棒を捕まえたりと、なんでも叶う魔法の力を見せてくれた、おちゃめでお転婆な女の子でした。

 テレビの前の子供たちは、かわいらしいサリーちゃんが繰り出す魔法に目を見張り、夢中になりました。学校の掃除の時間にはホウキにまたがり、甲高い声で「カブちゃん!いいかげんにしなさい!」などと口まねしながらサリーちゃんごっこをしたものです。

 主人公のサリーちゃん以外にも、インパクトの強いキャラクターが数多く登場したのも『魔法使いサリーちゃん』の魅力のひとつです。おなじく魔法の国からやってきて、いたずらばかりしている弟分のカブ。カブのせいでサリーちゃんや周りの人たちがトラブルに巻き込まれたことは数知れません。

 そして、2本の角が立ったような強烈な髪型が印象深いサリーちゃんのパパ。子供の頃にシャンプーで髪を逆立て「サリーちゃんのパパ!」と叫んだ人も多いでしょう。とんねるずの石橋貴明さんも持ちネタにしていましたね。なかでもサリーちゃん人気を支えた立役者といえば、よっちゃんの愛称で呼ばれた親友のよし子ちゃん。よっちゃんはサリーちゃんとは対照的に〈昭和の子供〉を代表する、いわばテレビの前の子供たちの分身的な存在だったのです。

■みんなに愛される、ダミ声の肝っ玉姉ちゃん

魔法使いサリー6[カラー版3]」DVD(ユニバーサルミュージック)。よっちゃんと三つ子の弟たちが描かれる

 個性的なサブキャラ陣のなかでも群を抜いてキャラが濃かったのが、よっちゃんと三つ子の弟たちです。洋館に住み西洋風な容姿のサリーちゃん(なんといっても魔法の国のお姫様ですから……)と、畳敷きに障子、ふすまといった“ザ・昭和”の家に暮らし、空豆みたいな顔におだんご三つ編みヘアのよっちゃんは、対照的な存在でした。

 よっちゃんは数年前に亡くなったお母さんに代わって、小学5年生ながら三つ子の弟トン吉・チン平・カン太(三人あわせてトンチンカン)の面倒をみています。この弟たちがいたずらばかりしているので、よっちゃんはいつもダミ声で「あんたたちっ!」と怒っているのですが、その裏には弟たちをどこに出しても恥ずかしくないように育て上げなければという、けなげな思いがありました。

 決して裕福ではないけれど、家族が力を合わせて生きているという昭和の家族の象徴こそが、愛すべきパワフルな肝っ玉ねえちゃん・よっちゃんなのです。

 そんなよっちゃんの存在があったからこそ、外の世界からきたサリーちゃんは、ひときわキラキラ輝いて見えたのでしょう。よっちゃんは日常、サリーちゃんは非日常。子供たちはサリーちゃんに憧れながらも、より親しみを感じていたのは、よっちゃんだったのです。実際、サリーちゃんごっこでは、よっちゃんのダミ声をマネする子供たちも多かったものです。

 愛すべきよっちゃんは、エンディング曲にもとり上げられています。

♪気は優しくておしとやか その上美人で力もち
 勉強嫌いが たまにキズ(いいぞ、ねぇちゃん!)

「おしとやか」と「美人」はよっちゃんの言い分ですが、エンディング曲ながらも当時大人気だったこの歌、今でも歌える人は多いのではないでしょうか? 

(古屋啓子)

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