大和路に春を呼ぶ伝統の火祭り「だだおし」が14日、奈良県桜井市の長谷寺で行われた。法力のあるお札の力で本堂から追い出された赤、青、緑の鬼が、燃えさかる巨大なたいまつを手に本堂の周りを練り歩いて退散。舞い散る火の粉に参拝客らが歓声を上げた。

 だだおしは仏前で過ちを悔い改めて心身を清める修二会の締めくくりの儀式で、千年以上続くとされる。名前の由来は、寺の開祖が閻魔大王から授かった「だんだ印」を参拝者の額に押し当てたことから付いたという説などがある。

 赤鬼を撮ろうと5時間近く待った大阪府松原市の野崎幸次さん(75)は「大たいまつも鬼も迫力があった」とうれしそうだった。