企業の成長性を測る財務指標として、売上高成長率があります。売上高成長率とは、一定期間内に売上高がどれだけ増加したかを示す指標であり、企業の成長性を測る上で重要なものです。
この記事では、売上高成長率について、その定義や計算方法、重要性や用途、業界別の基準値などを解説していきます。売上高成長率について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
売上高成長率(伸び率)とは
売上高成長率(英語:Sales Growth Rate)とは、基準年度と当年度の売上高を比較することで企業の成長性を表す経営指標です。
成長している企業は、売上高が基準年度に比べて増加する傾向があるため、売上高成長率が高くなります。一方で、成熟した市場に存在する企業は、売上高成長率が低くなる傾向があります。
売上高成長率は、投資家や銀行などが企業の成長性を判断する際に用いられます。また、企業が掲げる戦略や目標を達成できているかを評価するためにも利用されます。
売上高成長率(伸び率)の英語表記
売上高成長率は、英語では「Sales Growth Rate」や「Sales Revenue Rate」などと表記されます。しかし、海外の決算書では、必ずしもこの表記が用いられるとは限りません。
簡単なクイズ事例で紹介します。
Netflixの2022年の売上高成長率(前期比)は、選択肢のうち、どれでしょうか?
わかりましたでしょうか?
正解は選択肢①6%でした。
米国企業のForm 10-Kに記載されている「Change」とは、前年度と比較した増減や変化を示すための用語です。具体的には、売上高、営業利益、純利益などの財務指標や、事業の成長戦略、業績見通し、リスク要因などの経営戦略に関する変化などを示すことがあります。この場合の「Change」は、増減を意味することが多く、前期と比較した増減を示すために使用されることがあります。
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売上高成長率(伸び率)が重視される背景
売上高成長率は、基準年度の売上高と当年度の売上高を比較し、どの程度売上高が成長しているかを判断する成長性の指標です。
売上高は利益の源泉であるため、売上高が増加すればするほど、後々に稼得する利益も拡大すると考えられます。
さらに、企業の継続的な成長に必要となる広告宣伝費や人件費等に投下できる金額も売上の成長と共に拡大します。
従って、売上高の成長は、今後の企業の拡大を予測する際に非常に重要な情報となります。
売上高成長率(伸び率)の計算式
売上高成長率は以下の式で計算されます。
- 売上高成長率 = (今期売上高 - 基準年度売上高) / 基準年度売上高 × 100
企業によって成長率の計算方法が異なる場合もあるため、その都度、計算の前提を確認することが重要です。
売上高成長率(伸び率)の計算事例
例えば、ある企業の前期の売上高が1000万円、今期の売上高が1200万円だった場合、売上高成長率は以下のように計算されます。
- 売上高成長率 = (1,200 - 1,000) / 1,000 × 100 = 20%
この場合、前期に比べて売上高が20%増加したことを示しています。
売上高成長率(伸び率)の使い方
売上高成長率を適切な対象の数値と比較することで、意味のある示唆を得ることができます。
ここからは、自社の売上高成長率をどのような指標と比較することが望ましいのかを解説していきます。
まずは簡単なクイズです。