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味の素ってどんな会社?決算資料の情報を元に図解で解説!

2024.4.29

味の素ってどんな会社?決算資料の情報を元に図解で解説!

皆さんは、「食品メーカー」といえば、どの会社を思い浮かべるでしょうか?

そんな食品メーカーですが、早速簡単なクイズです。

日本を代表する食品メーカー3社のうち、2023年の時点で最も売上高が大きい会社はどの会社でしょうか?

  • 家の台所でお馴染みの味の素グループ
  • カップヌードルの日清食品HD
  • バーモントカレーで有名なハウス食品グループ

正解は、①味の素グループです。

味の素グループの売上高は1兆円を超えており、日本の食品メーカーの中でもトップレベルの規模となります。

味の素グループの時価総額は2兆円を超えており、

市場からの評価も非常に高い会社です。

日本企業の中でも、時価総額が2兆円を超える企業は限られています。

他の食品メーカーの時価総額と比べてもわかるように、味の素グループは頭一つ飛び抜けています。

この記事では、意外と知らない「味の素グループの今」についてを、図解を通じて、わかりやすく解説します。

調味料のイメージしか持っていない方にとって、大きくイメージが変わる内容となっています。

ぜひ最後までお付き合いください。


味の素グループってどんな会社?

いきなりですが、味の素グループはどんな会社でしょうか?

味の素グループの経営理念から紹介します。


味の素グループのビジョン

味の素グループは、

「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」

というビジョンを掲げています。

さて、アミノ酸というキーワードが登場しました。

一度は聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、アミノ酸とはいったい何でしょうか?


アミノ酸って何?

味の素グループを紹介する上で、切っても切れない関係である「アミノ酸」を簡単に紹介します。

アミノ酸とは、たんぱく質を構成している成分です。

たんぱく質は人間のカラダを構成しており、言い換えるなら、カラダの約20%はアミノ酸でできています。

アミノ酸には様々な働きが期待されます。

  • カラダを作る
  • カラダを維持・調整する
  • カラダを動かす
  • カラダを守る

つまり、生命活動を維持するために、アミノ酸は必要不可欠となります。

このアミノ酸ですが、味の素グループと切っても切れない関係にあります。


味の素グループとアミノ酸の関係は?

ここからは、アミノ酸と味の素グループの関係についてを解説します。

味の素グループの創業は、

アミノ酸を基礎とした調味料の発明からスタートしました。

1909年に、うま味調味料「味の素®」の発売と共に、

味の素グループの事業がスタートします。

その後も、アミノ酸の研究を基礎に、事業を拡大していきます。

そして、2023年の現在、味の素グループは世界No1のアミノ酸メーカーとなりました。

味の素グループの事業利益の半分以上は、食品事業が稼ぎ出しています。

100年続くブランドと製品開発力を武器に、味の素グループの多くの製品が国内シェア1位に位置しています。


会計クイズ:味の素の業績は?

さて、以上を踏まえて味の素グループに関するクイズです。

味の素グループの業績には、近年ある傾向が見られます。

味の素グループは、近年非常に業績が好調です。

2022年3月期の営業利益の額は1,246億円と、過去最高の水準に到達しています。

それでは、ここからがクイズです。

味の素グループの利益の半分以上を稼ぎ出す食品事業の利益率はどちらでしょうか?

タップで回答を見ることができます

1

選択肢①

2

選択肢②

正解は選択肢②が食品事業でした。

皆さんはわかりましたか?

それでは、ここから解説です。


味の素グループの食品事業

まずは、味の素グループを支える食品事業を見ていきましょう。

味の素グループは海外売上高比率の高い会社です。

2022年3月期の海外売上高は7,053億円と大きく拡大しています。

この海外売上高の成長を牽引しているのが、味の素グループの食品事業です。

日本国内は言うまでもなく、海外でもトップシェアの製品を数多く有しています。

このように食品事業は、堅調に成長拡大していることが読み取れます。

食品事業は好調とはいえ、営業利益率は9%です。

決算数値を見てみると、味の素グループには、さらに収益性の高い事業が存在します。

この収益性の高い事業は、いったいどんな事業でしょうか?


味の素グループの非食品事業

ここからは、味の素グループのもう1つの顔である非食品事業を解説します。

味の素グループには、アミノ酸を活かしたヘルスケア等事業が存在します。

ヘルスケア等事業では、主に電子材料、医薬品開発製造受託を扱っています。

このヘルスケア等事業ですが、非常に成長性の高いの事業となっています。

2022年3月期の決算の事業部の利益は、前期と比べ2倍に成長しており、グループ業績に大きく貢献しています。

ヘルスケア等事業の中でも、特に成長性が高い事業が半導体部品を扱うセグメントです。

食品のイメージしかなかった方にとって、意外と思われるかもしれませんが、

味の素グループは、半導体部品を製造しています。


半導体部品まで扱う味の素グループ

それでは、味の素グループの半導体部品についてを紹介します。

味の素グループは、パソコンやサーバー・ネットワーク機器の製造に必要となる半導体部品、

通称「味の素ビルドアップフィルム®(以下ABF)」を製造しています。

なぜ味の素が半導体部品?と思われた方もいるかもしれません。

実は、半導体部品の製造にはアミノ酸の製造技術が応用されています。

このように、アミノ酸の製造技術を応用し、味の素グループは様々な事業領域へと拡大しています。

このように、アミノ酸の製造技術を応用した半導体部品を開発し、

味の素グループは、圧倒的なシェアの獲得に成功しています。


味の素グループの今後は?

味の素グループのもう1つの顔である非食品事業の急成長も貢献し、営業利益額は過去最高となりました。

味の素グループは、国内有数の食品事業は堅調に拡大させつつも、別軸では成長性の高い事業を用意しています。

この両者を組み合わせて、今後、どのような成長戦略を描いていくのかに注目が集まっています。

以上、味の素の事業内容の解説でした。

皆様の味の素のイメージも大きく変わったのではないでしょうか?

ここからは、味の素の今後の成長戦略についてを紹介します。

今回の内容が面白いと思った方は、下記よりぜひ続きもご覧ください!


この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

Funda社運営

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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