砂漠の強者ヒヨケムシ
記事の筆者と写真家が、取材現場から報告する「最高の経験」、「最悪の体験」、そして「最も風変わりな思い出」。
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本誌に載らなかったオンラインだけの写真。撮影条件も紹介します。
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砂漠の生物のなかで最強のあごをもつ、動きの素早いヒヨケムシ。クモやサソリに近いこの生物にはまだ分からないことが多い。
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ビーズのような目、毛むくじゃらの体、膨らんだあご(鋏角)…悪夢に登場するような姿のこの生き物は毒腺をもたないが、あごは獲物をかみ殺すほど強力だ。体長の3分の1ほどもあるそのあごで昆虫やげっ歯類、トカゲ、ヘビ、小型の鳥などを捕まえる。
詳しくは本誌をお読みください。
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今回の特集に関してもっと知りたい方に、参考となる情報を提供します。
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ヒヨケムシは、背中が盛り上がっていることから北アフリカや中東ではラクダグモとして知られる。イラク戦争に従軍したある兵士はヒヨケムシを「これまで見たなかで最もグロテスクな生き物」と述べていて、この生き物ついてはいくつも伝説が生まれている。たとえば、ヒヨケムシは時速40キロ以上で走り、赤ん坊のような声で鳴き、ラクダグモの名の通りラクダの胃の上をはい回って、腸がはみ出るまでその肉をむさぼるという。しかしこうした伝説はどれも真実ではない。実際にはヒヨケムシは時速1.6キロで動き、鳴き声は出さず、昆虫やトカゲのような砂漠の小さな生物を餌にする。昔からアフリカや中東で闘う兵士たちは、その恐ろしい姿に魅せられてきた。第1次世界大戦中にエジプトに駐屯した兵士たちは、捕まえたヒヨケムシを戦わせ、賭けの対象にしていた。
――キャシー・B・マヘル
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2001年8月号「クモの糸の不思議」
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