第61回 豚肉だけどフルーティー、ハイチ料理の“グリオ”とは?
梅雨の晴れ間の昼下がり、私がやってきたのは東京・丸の内にあるコンベンション&アートセンター「東京国際フォーラム」。昼時になるとこの施設の地上広場にキッチンカーがずらりと並ぶ「ネオ屋台村」で、昼食を購入しようと思ったのだ。
キッチンカーとは調理設備を搭載した移動販売車のこと。ネオ屋台村では丼ものやオムライスをはじめ、富士宮やきそばなどのご当地グルメ、世界各国の料理といったバラエティに富んだキッチンカーが軒を連ねる。丸の内で働く人たちが毎日来ても飽きないようにと、曜日ごとに出店も異なるらしい。
「何を食べようかなあ」とキッチンカーを見て回る。この日もイタリアンにベトナム料理、ロコモコと、様々な国際会議が開かれる東京国際フォーラムらしいワールドワイドな屋台が並んでいた。せっかくならどこかの国のソウルフードが食べたい。そう思ってそぞろ歩いていると、一本の幟が目に入った。
「ハイチ料理」
ハイチは中央アメリカの西インド諸島にある国だ。コーヒー豆の産地だというのは知っているが、ハイチ料理は食べたことがない。
「よし、今日はハイチ料理にしよう!」と決めて、店の前に立つ看板に書かれたメニューを見た。料理は3つ。この中にソウルフードはあるだろうか。
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