インドのタージ・マハルは、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、最愛の妻のために建立した荘厳な霊廟だ。16年の歳月を費やし、莫大な費用を投じて行われた建設事業は、ムガル帝国の衰退を招いた。
文＝EVA FERNÁNDEZ DEL CAMPO／訳＝ルーバー荒井ハンナ
ギャラリー：亡き妻への愛の証、世界遺産タージ・マハル 画像と写真14点
皇帝が愛する妻のために建立した荘厳な霊廟タージ・マハル。白い墓廟の左にはモスクが、右にはそれと対称をなすジャワブが建つ。庭園は十字に交差した水路によって4つに分かれ、中央にある池は霊廟と大楼門から等距離の位置に作られている。（MICHELE FALZONE/AWL IMAGES）
朝日を受けてピンクがかったように見えるタージ・マハル。皇帝が愛する妻のために建立したこの荘厳な霊廟は、日光の変化とともに色を変える。（MICHELE FALZONE/AWL IMAGES）
1640年頃、オランダ人の地図製作者ヤン・ヤンソンによって描かれたムガル帝国の領土。（BRIDGEMAN/ACI）
ムガルの財宝
17世紀のスピネル（尖晶石）。シャー・ジャハーンを含むムガル皇帝の名が刻まれている。（BRIDGEMAN/ACI）
ムガルの財宝
シャー・ジャハーンの祖父であるアクバル大帝の治世に鋳造された銀貨。（BRIDGEMAN/ACI）
ムガルの財宝
ヤギの頭が彫られた酒杯。1657年に、シャー・ジャハーンのために作られたもの。（PRISMA/ALBUM）
ムガルの財宝
ライオンに襲われた家臣を助けるシャー・ジャハーン。17世紀のカメオ。（AURIMAGES）
18～19世紀に描かれた絵。馬を操っている女性は、ムムターズ・マハルであると考えられている。 （BRIDGEMAN/ACI）
シャー・ジャハーンの治世に完成したアーグラ城。シャー・ジャハーンは晩年、死ぬまでここに幽閉されていた。（LUIGI VACARELLA/FOTOTECA 9X12）
シャー・ジャハーンの即位を描いた17世紀の絵。 シャー・ジャハーンは、タージ・マハルを眺めることのできるアーグラ城で最期を迎えた。息子のアウラングゼーブは、父親の遺体を、母親が眠るタージ・マハルに葬った。（BRIDGEMAN/ACI）
霊廟の内部に続く巨大な扉は、花のモチーフとカリグラフィーで装飾されている。（MAURIZIO RELLINI/AWL IMAGES）
北側から見たタージ・マハルの大楼門。19世紀の石版画。（BRIDGEMAN/ACI）
ムムターズ・マハルの墓碑。この横に、夫であるシャー・ジャハーンの墓碑が安置されている。いずれの墓碑も、宝石が散りばめられた白大理石で作られている。実際の遺体は、地下の別の場所に葬られた。（GETTY IMAGES）
墓碑が置かれている部屋の壁に彫られた百合の花。（SHUTTERSTOCK）
