カラカル
分類: 哺乳類
食性: 肉食
寿命: 野生:12年
体長: 60センチ~1メートル
体重: 9~18キログラム
プロフィール
アフリカの大部分と中東の一部に生息する中型ネコ科動物カラカル。被毛は黄褐色または赤みを帯びた金色で、あごからのど、腹にかけて白い。
ネコ科動物は例外なく、王者の風格を漂わせているが、カラカルは王冠をかぶっているようにすら見える。大きなとがった耳と先端の房毛がトレードマークだ。
この特別な耳は20以上の筋肉で構成され、パラボラアンテナのように回転させて獲物の音を感知する。房毛は耳に入ってくる音を増幅する役割、自由自在に動かして仲間とコミュニケーションを取る役割を果たすと考えられている。
パワフルなハンター
カラカルは、大型種を除くアフリカのネコ科動物で最も足が速い最高のハンター。砂のような色をした体で周囲に溶け込み、獲物に気付かれないよう忍び寄ることができる。鳥類、げっ歯類、マングース、ハイラックス(げっ歯類に似たアフリカの哺乳動物)、さらには小型のサルまで何でも襲う。
強い後肢で約3メートルの高さまで跳躍し、飛んでいる鳥を太い爪でつかむこともできる。ヒョウのように木に登り、獲物を隠すこともある。
繁殖
生後1年〜16カ月で成熟し、年間を通じて繁殖する。
メスが尿でマーキングし、繁殖可能なことを伝えると、複数のオスによる争奪戦が始まる。普段はほぼ単独行動だが、繁殖期だけは多くのオスがメスと数日過ごし、その間に何度か交尾する。
妊娠期間は約2カ月半で、ツチブタなどが放棄した巣穴を出産に使う。子の数は平均3匹、最大6匹。生まれたての子は目が見えず、耳も聞こえないが、生後10日前後で目が開く。ちょうど同じ頃、最初の門歯が生えてくる。
メスはオスの助けを借りずに子を育て、4〜6カ月にわたって授乳する。ただし、子供は生後1カ月で肉を食べられるようになり、9〜10カ月で独立する。オスの行動圏はメスよりはるかに広く、約3倍の範囲を移動する。野生の寿命は約12年だ。
保全状況
ほとんどの生息域で減少は見られないが、個体群に対する脅威は存在する。農業による生息地の破壊、報復としての駆除などだ。カラカルは隙を見つけて小型の家畜を襲うことがある。
カラカルは生息域の大部分で法的に保護されている。ただし、ナミビアと南アフリカでは、土地所有者が財産を脅かされていると判断した場合、カラカルを殺すことが認められている。
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