SKE48「愛のホログラム」インタビュー|初選抜メンバーも交えて歌うシリアスな失恋ソング

SKE48の32枚目のシングル「愛のホログラム」がリリースされた。

表題曲「愛のホログラム」は、“孤独な愛”をテーマにしたシリアスで切ない失恋ソング。明るくがむしゃらに踊るSKE48のパブリックイメージとのギャップを感じられる楽曲だ。センターは前作「好きになっちゃった」に引き続き7期生の末永桜花が担当。倉島杏実、中野愛理、大村杏の3人が初選抜入りを果たすなど、ここ最近のSKE48作品に顕著な新世代の台頭が今作でも目立っている。

音楽ナタリーではメンバーのうち末永、倉島、佐藤佳穂、大村の4人にインタビュー。音楽性、メンバー構成どちらも注目点の多い「愛のホログラム」について話を聞いた。

取材・文 / 小野田衛撮影 / 上野留加

インタビュー参加メンバー

末永桜花

末永桜花

22歳 / 7期生(2015年加入) / Team E

マイブーム

鉄道が好きなのは今に始まったことではないんですけど、残念なことに最近は乗りにいけていないんですよね。だから時刻表とにらめっこしながら、妄想の中で“食べ鉄1人旅”を満喫しています。

倉島杏実

倉島杏実

18歳 / 8期生(2016年加入) / Team E

マイブーム

マイブームはアイドル鑑賞です。特に=LOVEさんに夢中で、その中でも推しは齋藤樹愛羅さん。自分のアイドル活動に反映させたくて動画を観始めたらドハマりしちゃいました。

佐藤佳穂

佐藤佳穂

26歳 / 8期生(2016年加入) / Team E(リーダー)

マイブーム

「Pikmin Bloom」というスマホアプリをご存知ですか?
歩いた分だけ苗やキャラが育っていくゲームなんですけど、完全にインドア派だった私が、お散歩大好きで健康的な人間になりました。

大村杏

大村杏

18歳 / 11期生(2022年加入) / 研究生

マイブーム

最近は腹筋をがんばっていますね。30秒で30回こなしたり、短時間で一気にやるのが私のやり方です。まだ始めたばかりで腹筋は割れていないんですけど、お腹を見せる衣装に備えて継続したいです!

末永桜花はSKE48の新エース?

──32ndシングル「愛のホログラム」は、前作「好きになっちゃった」に続いて末永さんがセンターです。ズバリお伺いしますが、「SKE48の新エースは末永桜花である」と捉えてよろしいのでしょうか?

佐藤佳穂 はい、まったく問題ないです! 実際、その通りですから!

末永桜花 ちょっと待って待って! いきなり断定しないでよー(笑)。

倉島杏実 でも、桜花さんがエースということに異論はないと思いますよ。ファンの方的にも、メンバー的にも。

佐藤 これまでSKE48にはセンターとしてグループをリードする先輩たちが何人もいました。そうした先輩たちが卒業を迎えると、「次は私が引っ張っていきたい!」と声に出す子も多かったんですね。そこが私はSKE48の素晴らしいところだと思っているんですけど、ここにいる桜花さんも、そんなグループで中心となるメンバーの1人。結成15周年を迎えて16年目に突入した節目のSKE48にとって、センターは桜花さんを置いてほかにいません!

佐藤佳穂

佐藤佳穂

末永 さすがに盛りすぎ……(笑)。

倉島 私はTeam Eで長いこと一緒に活動してきたのですが、桜花さんが抜けているところを目にしたことがないんですよ。

末永 抜けている? どういうこと?

倉島 なんて言えばいいのかな。オフの時間帯がなく、いつどこでも“完成されたアイドル・末永桜花”をキープし続けているイメージ。後輩から見ると、ものすごく頼もしい存在なのは間違いないです。

大村杏 桜花さんの魅力については、ぜひ私からも語らせてください! ちょっと長くなってしまうかもしれませんけど(笑)。

倉島 最初から桜花さんが大好きだったもんね、あずあず(大村)は。

大村 失礼な話かもしれませんが、私、SKE48のオーディションを受けたときはメンバーのことを詳しく知らなかったんです。だけどTeam Eの公演を最初に観たとき、桜花さんの存在に目を奪われてしまいまして。すべてがキラキラ輝いていて、完璧な存在だなというのが第一印象でした。その日から私にとっては憧れの存在であると同時に、アイドルとしてのお手本になったんです。ダンス、仕草、目線……本当にいろんなことを参考にしながら、今は研究生として毎日を過ごしているところでして。桜花さんは絶対的、圧倒的に今のSKE48の中心的存在だと思います!

──すさまじい愛情が伝わってきます(笑)。

大村 いや、でも本当に私が今こうしてがんばっていられるのは桜花さんのおかげです。私は2022年3月に11期生として加入したばかりなので、歴としてはまだ浅いんですね。でも桜花さんが2作連続でセンターになったことが、桜花さんを推している身としては自分のことのようにうれしくて。「私は前からその魅力に気付いていたんだぞ」と誇らしい気持ちすらあります(笑)。桜花さんがセンターにいるからこそ、私も選抜に入りたいと強く思うようになりましたし。

──このようにメンバーからベタ褒めされている末永さんですが、ご本人としては新エースとしてのプレッシャーを感じていたりしますか?

末永 うーん、エースか……。自分の中では「私がエースなんだ!」という強い気持ちは正直あまりないんです。恐れ多いというのもあるし、今いる場所も自分1人の力というより、ファンの方の支えがあってこそという面が強いですから。だけど「いやいや、私なんて……」と謙遜しすぎるのも違う気がするんですよね。至らぬ点もまだまだありますが、みんなを引っ張っていきたいという気持ちは持っています。センターに立たせていただくからこそ私にできることがきっとあるはずですし。自分にできることを今は精一杯やっていきたいと考えていますね。

末永桜花

末永桜花

──性格的な面では、「私にパスを回せ! 点を決めてやるから!」と周りを鼓舞するタイプではない?

末永 「私についてこい!」と大声で叫ぶタイプではないです。かといって、「みんなで一緒にがんばりましょう」という仲良しタイプでもないと思うんですよ。強いて言うなら、「ついてこないと……わかっているよね?」と無言の圧力をかけるタイプかな(笑)。

佐藤 確かに口で細かく言うようなタイプではないですね。でも芯の強さは間違いなく感じられるし、桜花さんの姿に刺激を受けているメンバーも多いですよ。

大村 その筆頭格が私です(笑)。

初選抜の倉島&大村の魅力

──倉島さんと大村さんは今作「愛のホログラム」がシングル初選抜です。選ばれたときは感激もひとしおだったのでは?

倉島 そうですね。私は5歳のときからSKE48が大好きで、中でも選抜に常に入っていた松井玲奈さんにずっと憧れていたんです。それもあって当時から自分の中では「SKE48に入りたい」というより「選抜メンバーになりたい」という気持ちが強かったんです。つまり、ここで初めて選抜入りできたのは、13年かけて夢にたどり着いたということで。

──倉島さんは年齢こそ18歳と若いですが、キャリア的にはすでに8年目になります。苦労人という一面もあるのでしょうか?

倉島 私が加入したときは「AKB48グループで最年少」と少し騒がれたんです。そこで私のことを知ってくれた人も多かったから、今回、選抜入りできたことに対して「あの小さかった倉島杏実ちゃんが!?」とびっくりされる方もいるんですよ。これは個人的な考えなんですけど、アイドルが輝き始めるのって18歳くらいからだと思うんです。開花のタイミングが18歳くらいと言えばいいんですかね。ここから私もアイドルとして大きく花を咲かせていきたいので、そのタイミングで選抜入りできたのはすごくラッキーだと思っています。私のアイドル人生は今からが本番だなって。

倉島杏実

倉島杏実

──大村さんは、いかがでしょうか?

大村 選抜入りの話を聞いたときは、もちろんうれしさもあったけど、驚きのほうが大きかったです。SKE48に入ってまだ2年も経っていない私ですが、1年前から「選抜メンバーになりたい」と口にするようになって。そこからは劇場公演で先輩たちのアンダーを務めたりしながら、毎日、選抜入りするためにはどうすればいいのかを考えてきたんです。そんな中、前作では同期の原優寧ちゃんが選抜入りしました。原優寧ちゃん、私の中ではライバルだったから複雑で……。

佐藤 そんな気持ちを抱えていたんだね。

大村 でもそこで「私も入りたい!」という気持ちがますます強くなったし、昨年9月の生誕イベントでもファンの方の前で「選抜に入りたい!」と改めてアピールしたんです。そうしたら、会場にいた皆さんからすごい熱気の声援が届いたんですよ。今回、選抜メンバーになれたのはファンの方の後押しがあったからこそです。とはいえ、私のことを知らない方からは「なんで大村とかいう人は研究生で歴も浅いくせに選ばれているの?」と疑問の声も上がるはずで。そこは自分のパフォーマンスや個性で納得していただくしかないと考えています。

大村杏

大村杏

──初選抜となった倉島さんと大村さんの魅力を、佐藤さんと末永さんから解説していただけますか?

佐藤 では、私からは8歳下だけど同期の倉島杏実ちゃんをプレゼンさせていただきます(笑)。杏実ちゃんは自分自身がSKE48のファンを長いことやっていたから、ファンの方の気持ちがすごく敏感にわかるんですよ。そこは本当に大きな強みだと思います。あとは意思が強いのも特徴かな。研究生の頃からずっと一緒にいますけど、「選抜に入りたい」と常に口にしていて、それをあきらめることが1回もなかった。意思を貫くのって一種の才能じゃないですか。杏実ちゃんは、そのための努力を怠らないですし。がんばり屋さんだからこそ、ファンの方も応援のしがいがあるんじゃないかと思うんですよね。

倉島 えへへ……。光栄です!

末永 となると、次は私が大村杏ちゃんの解説ですね。あずあずは誰もがスーパールーキーだと気付くはずです。このキャリアで選抜入りすること自体がすごい話なんですけど、研究生ながら自分のやるべきことを1つずつこなしていく姿勢がカッコいいんですよ。劇場公演もいろんなチームに出ながらがんばっているし、ファンの方もそんなあずあずの姿を見ているからこそ応援しているわけで。

大村 いや、あの……その……(感極まり、両手で涙を拭い始める)。

末永 がんばる姿勢がきちんと結果になるって、見ているほうとしてもうれしいじゃないですか。この若さですごいなって本当にびっくりします。あずあずはSKE48の明るい未来! 知らない方も、ぜひ注目していただければと思います!

大村 うう……ありがたすぎます……(人目をはばからず号泣)。

佐藤 かわいいなー。推している憧れの先輩からそんなふうに言われたら、やっぱり感激しちゃうよね(笑)。