セールスコピー「〇〇なあなたへ」を安易に使ってはいけない理由

「50代のあなたへ」

ある化粧品会社のメルマガの、このタイトルを見た瞬間、
「あ~ぁ… やってもうたね…」
そう思いました。

どうして? 何が悪いの? 今そう思いませんでしたか?

今回は、よく見かけるコピー「〇〇なあなたへ」を安易に使わないほうがいい理由について、解説したいと思います。

目次

セールスコピーライティングのテクニック蔓延中

セールスコピーライターの方はこの書き方をよくされますよね。
ちょっと検索してみれば出てくる!出てくる!

「〇〇でお悩みのあなたへ」とか、
「30~60代の〇〇が気になる方へ」とか。

定番のキャッチコピーといっても過言ではありません。
私もLPコピーライティングの執筆時に使うこともあります。

これはセールスコピーライティングでいわれるところの「問題を自分ごと化してもらうテクニック」のひとつです。
確かに、明確に顕在意識として「〇〇に悩んでいてなんとかしたいと日々思っている人」にとっては、
「ほら、あなたの悩みを解決するツールがここにありますよ~!」という呼びかけ、フラグとなり伝わりやすいです。
ドンピシャな感情を突かれると「そう!そう!」と共感できます。

「顕在意識として」と書きました。
「潜在意識で」という方には当たり前ですが届きません。
問題だということにご本人が気付いてすらいないのですから。

すでに問題を自覚している人を集客するなら、使っていただいていいと思います。
その場合は「〇〇が気になる」の〇〇の内容をできるだけ詳しくしておくことです。

「50代のあなたへ」が生まれた背景

さて、冒頭で出てきた例「50代のあなたへ」に話を戻します。
これは単純に、50代の方に読んでもらいたいというメルマガ執筆担当者の想いだったのでしょう。

実はこの化粧品会社さんは発売初期に広告LPの構成とコピーを担当させていただいた会社さんで、
商品コンセプトを変更したページをご提案させていただきました。
今では100億企業に成長されています。
想定以上に売れたことで、以降も新商品発売のLPについては私を指名してくださっていたので、
メルマガの担当者がどなたかということも知っているし、メルマガも登録していたというわけです。

その担当者は20代女性でものすごく前向き、その商品が大好きで一生懸命な方です。
なので推測するに、マーケティングもセールスコピーも勉強され、がんばったけど、
ほんの少しだけ女性の心理を読み違えた、それだけなんだと思います。

さぁお待ちかね、何を「やってしまった」のか、です。

50代の女性に直接「あなた50代ですよね?」と言えますか?

言えないでしょう?(笑)

それはなぜですか?

年齢を重ねてきたことを気にされているかもしれないし、50代で何か悪いの⁉と言われるかもしれないし、
だから何なのよ?と不機嫌になられたら、もうその先は何も薦められないし…。
「あぁ、まずいこと言っちゃったなぁ」とあなたも思うのではありませんか?

そういうことなんです。
直接言えないようなことを、メルマガやセールスレターだからといって書いてしまったからなんです。
50代の女性が感じているだろう感情の機微を考えずに、ずけずけと踏み込んでしまった形です。

50代という年代は自分が50代になったことは自覚していますが、50代になったことを肯定的に捉えることができていません。
「やったぁ~!50代になったわ!」とはまさか思ってもいないのです。
「20代のあなたへ」では何も問題にならないことが、「50代のあなたへ」は不快に受け取られてしまう。

読み手はすでに痛いほど自分ごととして捉えていますよ。
そこへ追い打ちをかけるように言われてしまったことで「何を言われるのか?」と身構えてしまうのです。

テクニックやテンプレートを過信しない

「〇〇なあなたへ」がテンプレートにあっても、そこに当てはめればいいんだと安易に使ってしまえば、お客さまの反発を買ったり、
せっかく構築した信頼を一瞬にして失ってしまったりしてしまいます。

自分ごと化とかテクニックを過信するのはもうやめましょう。
テンプレートに入れ込めばいい、と安易に考えるのはもうやめましょう。
選ぶのは、あなたのお客さまに最適な言葉です。

繰り返しますが、セールスコピーを学ぶのも使うのも悪いと言っているのではありません。
おおいにやってくださっていいのですが、その時には読み手(お客さま)の「気持ち・感情」に注意を払っていただきたいのです。

「ターゲット女性はどう思うのだろうか?」

それを常に想像してほしいのです。

案の定といいますか、早速翌日に謝罪のメールが届きました。
クレームの数々が返ってきたのだと思われます。
けれど、クレームをくれるならまだよかったです。

お客さまは去る時には黙って去りますから、ね。

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